愛知県東端に位置し,静岡県に接する市。2005年10月旧新城市と鳳来(ほうらい)町,作手(つくで)村が合体して成立した。人口4万9864(2010)。
新城市南部の旧市。1958年市制。人口3万6022(2000)。市域のほぼ中央を豊川が南西流し,それと並行してJR飯田線,国道151号線(伊那街道)が走る。豊川の渓谷に沿って中央構造線が通り,内帯側には本宮山や雁峰山が峰を連ね,外帯側には開析の進んだ壮年期の八名・弓張山地が続く。旧市の主要部は豊川右岸の河岸段丘上にあり,1575年(天正3)奥平信昌が新城城を築城してから開け,江戸時代には菅沼氏7000石の城下町として栄えた。また豊川舟運の終点で,荷揚地でもあり,信州方面へ送られる塩,木綿,塩干魚などはここで陸運の中馬(ちゆうま)に切り替えられ,信州から三河方面へはタバコ,紙などが送られた。明治に入り,飯田線の開通やトラック輸送により舟運はとだえ町勢は停滞したが,東名高速道路の開通(1969)以来大規模な工場も進出し,人口も増加している。農業は兼業化が著しいが,果樹園芸,畜産が盛んで,木材の集散・加工を中心とした林業も行われる。長篠の戦で,織田・徳川連合軍が,武田軍に大勝した設楽原(したらがばら)の古戦場や桜の名所桜淵公園がある。
執筆者:溝口 常俊
新城市北西部の旧村。旧南設楽(みなみしたら)郡所属。人口3226(2000)。美濃三河高原に位置する山村で,南東部は豊川支流の巴川,北西部は矢作(やはぎ)川支流の巴川の上流域を占める。林業のほか,高冷地野菜,花卉,茶,タバコなどが栽培され,黒瀬地区を中心に酪農も盛んである。1960年代後半から紡績,自動車部品などの工場が進出しているが,人口は1955年以降減少傾向にある。中央部に長ノ山湿原があり,日本最小のハッチョウトンボが生息し,愛知高原国定公園に指定されている。鴨ヶ谷地区の甘泉寺境内にあるコウヤマキは天然記念物。本宮山スカイラインが走り(2006年無料開放),観光開発が進められている。
新城市北東部の旧町。旧南設楽郡所属。人口1万4355(2000)。美濃三河高原にあり,東は静岡県に接する。町のほぼ中央に鳳来寺山があり,東部を三輪川,西部を寒狭(かんさ)川が南流して,南端の長篠で合流し,豊川となる。河川沿いに集落が分布し,JR飯田線,国道151号,257号線が通じる。町域の8割を山林が占め,林業が盛んで,農業では米作のほか茶や果樹の栽培が行われる。製材など地場産業のほか,1960年代後半から電気機器,輸送機器などの工場が進出した。鳳来寺山には鳳来寺や鳳来山東照宮があり,阿寺ノ七滝,湯谷(ゆや)温泉(含塩化土類食塩泉,25℃),赤引温泉(放射能泉,20℃),長篠城跡(史)など名所や史跡に恵まれ,また鳳来寺田楽(重要無形民俗文化財)のような郷土芸能も多く残る。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
戦国時代からみえる下大隅郡(下大隅)内の地名。現垂水市新城一帯に比定される。応永一九年(一四一二)以後に伊地知氏の出城の一つとして築かれたという新城があり、
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...
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