精選版 日本国語大辞典 「方位」の意味・読み・例文・類語
ほう‐い ハウヰ【方位】
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方角と同義であるが、とくに人事の吉凶との関係において考えられるもの。東西南北の四方位が四正(しせい)、その中間の東北、東南、西南、西北が四隅(しぐう)で、あわせて八方位となる。方位はさらに12に分けられ、古代中国ではこれに十二支を配当した。また、八方位は3分して二十四方位ともする。これら各方位にはそれぞれ特別の意義が付与されていて、人間の運命に影響を及ぼすものとするが、古代中国のこの考えは日本にも早く伝えられ、陰陽師(おんみょうじ)などによって広められて、旅行、移転、新築その他いろいろの場合に方位の吉凶をみることが行われて現代に至っている。方位の吉凶は、(1)「丑寅(うしとら)(東北)の鬼門(きもん)」のように固定しているものと、(2)年、月、日、時刻などによって変わるものとの二通りがある。
(1)の丑寅の鬼門は今日でも重視されるが、その理由については諸説がある。あるいは東北が死霊、すなわち鬼の出入りする門という説に由来するものとし、あるいは、空間としての丑寅を時間の丑寅に置き換え、旧12月の丑月(うしのつき)と旧正月の寅月(とらのつき)をともに年の境、丑刻・寅刻を昨日から今日の1日の境とし、この丑寅を変化宮とみての畏怖(いふ)による、とするが、このほかにも異説がある。
(2)は、一定の法則によって循環する凶神・吉神の在泊方位につれて、その吉凶が変わるもので、その凶災には金神(こんじん)、八将神(はっしょうじん)などによる「神殺(しんさつ)」と、方位による「方殺(ほうさつ)」とがある。金神の作用は強く、その在泊方位に向かって土木作業、出行、移転などを忌む。八将神は陰陽道における午頭天王(ごずてんのう)の八王子で、四季と四つの土用の行疫神。一定周期により循環するこの八神の在泊方位は禁方となる。これらの神殺に対し、方殺では、五黄殺(ごおうさつ)、暗劔殺(あんけんさつ)、本命殺(ほんめいさつ)、本命的殺(ほんめいてきさつ)、歳破(さいは)が五大方殺とされ、これらの方位はすべて凶である。
吉神は歳徳(としとく)、太歳(たいさい)、天徳(てんとく)、月徳(げっとく)、天徳合(てんとくごう)、月徳合(げっとくごう)などで、その在泊方位を用いる人々に対し幸慶を与えるとし、「恵方詣(えほうまい)り」で知られる恵方とは、その年の歳徳神の在泊方位をさすものである。
[吉野裕子]
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…ただし,動物での個体空間を抽出することはむずかしく,人間の場合は言語をもちいてはじめて明らかになったにすぎない。【吉田 集而】
[方位における空間認識]
人は自分の住んでいる自然にもとづいて空間意識をもつ。地球が丸いということがわかり,地球が自転しつつ太陽の周囲を公転するという認識がもてた現在でも,太陽は東からのぼり,西に沈むという意識を人々はまだ用いている。…
…前者は対概念を二つ組み合わせて4要素とし,この四つの要素によって世界が成立しているとみる世界観である。典型的なものは4方位に関係づけられた世界観である。一方,八分観はきわめてまれなものであるが,原理的には四分観の4要素がさらに二分された8要素からなると考える世界観である。…
※「方位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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