於ける(読み)オケル

デジタル大辞泉 「於ける」の意味・読み・例文・類語

おけ‐る【×於ける】

[連語]《動詞「お(置)く」の已然形+完了の助動詞「り」の連体形。「…における」の形で》
作用動作の行われる場所時間を表す。…の中の。…での。…にあっての。「日本於ける生活」「過去於ける経験
両者関係を表す。…についての。…に関しての。…に対する。「古代史於ける造詣の深さ」
西行和歌に―、宗祇連歌に―、雪舟の絵に―、利休が茶に―、その貫道する物は一なり」〈笈の小文

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精選版 日本国語大辞典 「於ける」の意味・読み・例文・類語

おけ‐る【於る】

  1. 〘 連語 〙 ( 動詞「おく(置)」に完了の助動詞「り」の連体形の付いたもの。「における」の形で用い、多く連体修飾となる )
  2. 動作・作用の行なわれる場所、時間などを示す。…においての。…にあっての。
    1. [初出の実例]「セネカは婦女と無学を以て世界に於る二大厄とし」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一)
  3. ( 「…の…における」の形で用いて ) 両者の関係を示す。…に対する。
    1. [初出の実例]「父母の子に於(ヲケル)や子(こ)父母に於るなり」(出典:世俗諺文鎌倉期点(1250頃))
    2. 「西行の和歌における、宗祇の連歌における、〈略〉其貫道する物は一なり」(出典:俳諧・笈の小文(1690‐91頃))

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