施主(読み)セシュ

デジタル大辞泉 「施主」の意味・読み・例文・類語

せ‐しゅ【施主】

僧や寺に物を施す人。檀那
葬式法事を営む当主
建築主のこと。施行主。

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精選版 日本国語大辞典 「施主」の意味・読み・例文・類語

せ‐しゅ【施主】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 僧や寺に物品を施す人。布施をする当人。檀那(だんな)。檀越(だんおつ)
    1. [初出の実例]「譏及三宝、无施主」(出典:続日本紀‐天平宝字三年(759)六月丙辰)
    2. 「其の時に一人の施主有り、山寺に昇て比丘を供養せむと為るに」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
    3. [その他の文献]〔無量寿経‐上〕
  3. 葬式、法事などを主人役となってとり行なう者。
    1. [初出の実例]「彼等が追善の鐘打ち鳴らし、せしゅの心ざしを計り給へば」(出典:曾我物語(南北朝頃)一一)
    2. 「施主の十一郎が位牌を持ち」(出典:埋葬(1971)〈立原正秋〉三)
  4. 仏の異名
    1. [初出の実例]「云何於无量義無量名。如仏如来名。為如来義異名異〈略〉亦名施主、亦名到彼岸〈略〉如是一切、義異名異」(出典:教行信証(1224)五)
  5. 願をたてて、塔や灯籠などを建造する人。願主。
  6. ( から転じて ) 一般に物を施す人。また、資金を出す人。
    1. [初出の実例]「そのくしは誰が施主だといやがらせ」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻八上)
  7. 家のあるじ。商家の主人。亭主
    1. [初出の実例]「施主とつまらぬ口舌する事、大にすき也、是は一義をきらひてにやとおもへは、左にもあらす」(出典:評判記・赤烏帽子(1663)杉村小大夫)
  8. 建築主のことをいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「施主」の意味・わかりやすい解説

施主
せしゅ
owner

建築業界の慣用語で,建主 (たてぬし) ,建築主ともいう。建築工事土木工事で,工事の発注者のこと (法人の場合はその代表者) 。完成後は所有者になる場合と,売主または寄付者になる場合がある。

施主
せしゅ
dānapati

檀越,陀那鉢底などと音写される。元来布施をなす人という意味で,仏教僧侶に供養する人をさす。現在では葬式や法要などの当主をさす。

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葬儀辞典 「施主」の解説

施主

葬儀や法事などの当主。金銭的な面などでその会を実質取りしきっている責任者

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