りょ‐じん【旅人】
〘名〙
① 古代中国の
官名。
庶人で官にあるもの。〔
儀礼‐公食大夫礼〕
※凌
雲集(814)河陽駅経宿有懐京邑〈
嵯峨天皇〉「河陽亭子経
二数宿
一、月夜松風悩
二旅人
一」
※
浮世草子・
世間胸算用(1692)四「十二月廿九日の夜の下り船、旅人
(リョジン)つねよりいそぐ心に
乗合て」 〔易経‐旅卦〕
たび‐びと【旅人】
〘名〙 旅行をしている人。
旅路にある人。たびゅうど。たびうど。たびと。
旅行者。
旅客。「たびにん(旅人)」は
別意。
※
万葉(8C後)九・一七九一「
客人(たびひと)の宿りせむ野に霜ふらば吾が子はぐくめあめの
鶴群(たづむら)」
※大唐西域記長寛元年点(1163)五「悪獣野象群れて
行旅(タヒヒト)を暴
(そこな)ふ」
たびと【旅人】
〘名〙 (古くは「たひと」か) 「たびびと(旅人)」の変化した語。
※
書紀(720)推古二一年一二月・
歌謡「しなてる 片岡山に 飯に飢
(ゑ)て 臥
(こや)せる その多比等
(タヒト)あはれ」
たび‐にん【旅人】
〘名〙 旅から旅へと渡り歩く人。
各地をわたり歩いている
博徒・てきやの類。わたりどり。
※
恋慕ながし(1898)〈
小栗風葉〉
二九「兇状持の重い体を手拭一本で潜り歩いた旅人
(タビニン)の昔も偲ばれる」
たびゅうど たびうど【旅人】
〘名〙 (古くは「たびゅうと」) 「たびびと(旅人)」の変化した語。
※杜詩続翠抄(1439頃)
一四「是言墻を
しまはいたほどに旅
(タヒウト)ていたか」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「旅人」の意味・読み・例文・類語
たびと【旅▽人】
《古くは「たひと」とも》「たびびと」の音変化。
「家ならば妹が手まかむ草枕旅に臥やせるこの―あはれ」〈万・四一五〉
たび‐にん【旅人】
旅から旅へと渡り歩く人。各地を転々と渡り歩いている博徒などをいう語。
りょ‐じん【旅人】
たび‐びと【旅人】
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普及版 字通
「旅人」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
旅人
西日本鉄道が運営する観光列車。福岡(天神)駅から太宰府駅(福岡県)を結ぶ。2014年運行開始。名称は奈良時代初期に大宰師(だざいのそち)を務めた万葉歌人、大伴旅人(たびと)から。
旅人(たびうど)
日本のポピュラー音楽。歌と作詞作曲はJ-POPグループ、ケツメイシ。2006年発売。
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世界大百科事典内の旅人の言及
【旅】より
…観光旅行もそうであろうし,なんでも見てやろうという動機にもとづく旅もそうである。こういう旅人は,探検家のように,他の探検家がすでに訪れたか否かに拘泥しない。そこでの体験は,どこまでも個人的経験世界内での知見として,まず自分のうちで意義を認められるもので,それを他に公知させるべく語ることは二の次の問題となる。…
【もてなし】より
…【三浦 国雄】
【ヨーロッパ】
もてなし(ホスピタリティhospitality)は,贈与関係と並んで,原始社会から中世のヨーロッパ諸民族に遍在する,人と人,共同体と個人を媒介する基本的な社会関係の一つである。もてなしの機会は宴会とも重なり合うが,知己の賓客を迎えた饗宴や,共同体的な結束を表現する祭宴と区別される本来のもてなしは,主として共同体外から来る遠隔の客,見知らぬ旅人に無償で食事とベッドを提供し,無事に旅を続けさせること,また困窮者,病人を収容し,治療を施し,行倒れなどを埋葬することを指す。これら共同体外の者を〈客〉として自分の家に受け入れた者=〈主人〉は,その間,客の保護者となる。…
※「旅人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報