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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
岐阜県南部、木曽川(きそがわ)中流にある渓谷。飛騨木曽川国定公園(ひだきそがわこくていこうえん)に含まれ、木曽川とその支流飛騨川の合流点今渡(いまわたり)から下流の愛知県犬山市に至る約13キロメートルを日本ラインとよぶ。木曽川は、美濃太田(みのおおた)盆地の西縁に連なり、岐阜・愛知県境をなす秩父中・古生層の尾張(おわり)丘陵を侵食し、横断してつくる渓谷美と、木曽川に迫ってそびえる犬山城は、好一対の絵巻物をみるようである。1913年(大正2)3月、地理学者志賀重昂(しげたか)が、ドイツのライン川が連想されるとして、「誠に是(こ)れ一幅ラインの縮図」と褒めたたえたことがきっかけで、日本ラインと通称されるようになった。志賀重昂の顕彰碑は、美濃加茂(みのかも)市の木曽川畔の祐泉寺境内にある。ライン下りは、可児(かに)・美濃加茂両市を結ぶ太田橋付近を出発点とし、水しぶきを浴びながら激流を下り、絶景を楽しむものである。
[上島正徳]
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