日貨排斥(読み)にっかはいせき

旺文社世界史事典 三訂版 「日貨排斥」の解説

日貨排斥
にっかはいせき

日本商品(日貨排斥中心とする中国民衆の反日運動
最初の日貨排斥は1908年の第二辰丸事件に対する反発から起こった。その後,第一次世界大戦により欧米勢力が中国から後退したのに乗じて,日本は1915年1月に二十一か条要求を行った。これに対し,中国民衆は同年3月から日本商品排斥・国産品愛用運動を起こし,五・四運動の時期頂点に達した。この広範な国民運動は,中国の民族資本・労働運動の発展を助長する役割を果たした。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「日貨排斥」の解説

日貨排斥
にっかはいせき

おもに第2次大戦前の中国および東南アジア華僑(かきょう)を中心とした日本製品に対する不買・不売・不使用運動。1908年(明治41)の辰丸事件を皮切りに,日本の政治経済・軍事圧力に抵抗する手段,自国諸産業の保護・育成の手段の一つとしてくり返し展開された。日本側に正当な既得権益やその発展・存立を脅かすものとの認識をもたせることとなり,満州事変・日中戦争開始の一因ともなった。

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改訂新版 世界大百科事典 「日貨排斥」の意味・わかりやすい解説

日貨排斥 (にっかはいせき)

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世界大百科事典(旧版)内の日貨排斥の言及

【対日ボイコット運動】より

…日本の強引な政治的,経済的進出に反対する,日貨排斥を名目とする中国の民族運動。全国的規模の対外ボイコット運動は,1905年(光緒31)の対米ボイコットに始まるが,そのうち対日ボイコットは,08年の第二辰丸(たつまる)事件(辰丸事件)に関するもの以下,09年の安奉鉄道改築問題,15年の二十一ヵ条要求反対,19‐21年の五・四運動と続き,ことに1923年の旅順・大連回収要求運動以降は,中国共産党の成立,労働運動の激化等を反映して,経済絶交運動と名を改め,1925,26年の五・三〇事件に関連する運動,1927,28年の山東出兵反対,1928,29年の北伐,済南事件に関するもの,1931,32年の満州事変,上海事変に反対する経済絶交運動など十数回におよんだ。…

【排日運動】より

…排日運動は二つの系統に大別される。一つは日本人移民に対する差別,排斥で,他は日本の侵略的行動に対する対抗措置(日貨排斥,日貨ボイコット)である。かつてのアメリカ,カナダ,ブラジル等における日本人移民の差別待遇,入国制限ないし禁止は前者であり,中国や東南アジアにおける日本商品ボイコット(日貨抵制)運動は後者に属する。…

※「日貨排斥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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