明証(読み)メイショウ

デジタル大辞泉 「明証」の意味・読み・例文・類語

めい‐しょう【明証】

[名](スル)
はっきり証明すること。また、はっきりした証拠。「事実明証する」
哲学で、いかなる人もその真理性を絶対に疑いえないような認識のもつ直接的確実性直証
[類語]確証証拠しょうあかししるし証左証憑しょうひょう徴憑ちょうひょう徴証実証傍証根拠よりどころ裏付けねた

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精選版 日本国語大辞典 「明証」の意味・読み・例文・類語

めい‐しょう【明証】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 明確に証拠立てること。はっきりとした証拠を示すこと。はっきりと証明すること。また、その証拠や証明。確証。みょうしょう。
    1. [初出の実例]「微妙の数理を照見して、明証を引き確論を立たりけるによりて、天学始て大成することを得て」(出典:暦象新書(1798‐1802)上)
    2. 「余が能く之を明証することを得たる由縁は」(出典:彼日氏教授論(1876)〈ファン=カステール訳〉四)
    3. [その他の文献]〔潜夫論‐考績〕
  3. ( [英語] evidence の訳語 ) 哲学で、論証や検証によらなくても、それ自体が直接的に明らかで疑いえないこと。直証。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「明証」の意味・わかりやすい解説

明証
めいしょう
evidence 英語
évidence フランス語
Evidenz ドイツ語

直証的なもの、つまり精神の同意をただちに獲得しうるもののもつ性格。ある命題はその意味が精神に直接的に明らかであり、かつそれが真か偽かを問うて、その真であることがすこしも疑いえないとき、明証的であるという。明証が客観的に精神の直接の対象である観念や命題それ自体のもつ性格であるのに対して、確実性はそうした対象を知覚する精神の主観的な状態をさす。この意味で、明証性と確実性とは同一の事態についての二つの異なった表現にほかならない。代表的観念idées représentatives(フランス語)の理論にたてば、精神の直接の対象は観念であるが、精神に直接現前するのは外的対象そのものであるとする説もある。「明証とは対象そのものの意識への現前である」(サルトル)。デカルトは観念の明晰(めいせき)判明であることを真理の基準としたが、このような真理観は一般に明証説Evidenztheorie(ドイツ語)とよばれ、現代ではフッサール現象学において継承されている。

[坂井昭宏]

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普及版 字通 「明証」の読み・字形・画数・意味

【明証】めいしよう

はっきりとした証拠。

字通「明」の項目を見る

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