日本大百科全書(ニッポニカ) 「星野天知」の意味・わかりやすい解説
星野天知
ほしのてんち
(1862―1950)
評論家、小説家。江戸・日本橋生まれ。本名慎之輔(しんのすけ)。1887年(明治20)受洗。89年帝国大学農科大学卒業。明治女学校教員となり、90年『女学生』を主筆創刊。93年『文学界』を創刊、編集人として経営にも参与しながら中心的に発行を推進した。95年教え子松井万(まん)と結婚。『うらわか草』(1896)創刊。『文学界』廃刊後は文学から遠ざかり書道研究に力を入れた。1948年(昭和23)カトリックの洗礼を受けた。著書に『文学雑著破蓮(はれん)集』(1900)、『山菅(やますげ)』(1902)、『草書研究法』(1909)、回想集『黙歩七十年』(1938)などがある。
[橋詰静子]
『笹淵友一著『「文学界」とその時代 上』(1959・明治書院)』▽『富田倭子「星野天知評伝」(『学苑』1963.12・昭和女子大学近代文化研究所)』