朝日日本歴史人物事典 「星野長太郎」の解説
星野長太郎
生年:弘化2.2.3(1845.3.10)
明治期の製糸業改良家,生糸直輸出運動家。上野国勢多郡水沼村(群馬県黒保根村)出身。桐生向け賃挽糸を商っていたが,官営富岡製糸で技術を習得し,明治6(1873)年水沼製糸所(32釜,初の民間器械製糸)を開設。しかし単独での生産は少量すぎたため,付近の農家製座繰糸の仕上げ工程(揚返)を10年に共同化(製糸結社亘瀬組)して輸出向け捻造糸の大量集荷と米国での試売に成功。前橋の士族らも合流し,13年荷為替取組開始を待って,星野を頭取とする直輸出の上毛繭糸改良会社が組織され,群馬蚕糸業発展の礎石となった。熱心なギリシャ正教信徒でもあった。<参考文献>群馬県蚕糸業史編纂委員会編『群馬県蚕糸業史』,『横浜市史』4巻上
(大島栄子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報