春花の(読み)ハルハナノ

デジタル大辞泉 「春花の」の意味・読み・例文・類語

はるはな‐の【春花の】

[枕]
春の花が美しく咲きほこるところから、「にほえ栄ゆ」「めづらし」などにかかる。
「―にほえ栄えて」〈・四二一一〉
貴重な春の花は散りやすいところから、「たふとし」「うつろふ」などにかかる。
「―貴からむと」〈・一六七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「春花の」の意味・読み・例文・類語

はるはな‐の【春花の】

  1. 春の花が美しく咲いている意で、「盛り」「にほひさかゆ」にかかる。
    1. [初出の実例]「春花能(はるはなノ) 盛りもあらむと 待たしけむ 時の盛りそ」(出典万葉集(8C後)一八・四一〇六)
  2. 春の花をめでる意で、「貴し」や「めづらし」にかかる。
    1. [初出の実例]「春花之(はるはなの) 貴からむと 望月の たたはしけむと」(出典:万葉集(8C後)二・一六七)
  3. 春の花が散っていく意で、「うつろふ」にかかる。
    1. [初出の実例]「大君の 引きのまにまに 春花乃(はるはなノ) うつろひ変はり 群鳥の 朝立ち行けば」(出典:万葉集(8C後)六・一〇四七)

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