春野(静岡県)(読み)はるの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「春野(静岡県)」の意味・わかりやすい解説

春野(静岡県)
はるの

静岡県西部、周智郡(しゅうちぐん)にあった旧町名(春野町(ちょう))。現在は浜松市の北東部を占め、天竜区の東部を形成する地域。旧春野町は、1956年(昭和31)犬居(いぬい)町と熊切(くまきり)村が合併して改称。1957年気多(けた)村を合併。2005年(平成17)周辺10市町村とともに浜松市と合併。北部から赤石(あかいし)山脈高峻(こうしゅん)な山岳部が南へ延び、地域の92%を山地が占める。中央部を天竜川の支流気田川(けたがわ)が南流し、河谷の小平地に集落が発達。国道362号が通じる。林業を主とし、江戸時代後半から育成林業(植林)が盛んで、良質の木材の産地をなした。茶・シイタケ・中国野菜栽培も盛ん。秋葉山(あきはさん)は火防(ひぶせ)鎮護秋葉信仰で有名、12月に火祭が行われる。京丸(きょうまる)は遠州七不思議の一つ京丸ボタンで知られ、アカヤシオおよびシロヤシオ群生地は、国指定天然記念物。北部は奥大井県立自然公園、南西部は天竜奥三河国定公園に含まれている。夏は気田川沿いのキャンプ場、渓谷のアユ釣り客でにぎわう。過疎化が激しく、道路整備、観光対策を推進している。

[川崎文昭]

『『春野町史』全5巻(1991~1999・春野町)』


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