時節(読み)ジセツ

デジタル大辞泉 「時節」の意味・読み・例文・類語

じ‐せつ【時節】

自然の移り変わりによって感じられる時分季節。「散策に適した時節
その時の世の中の情勢時勢。「時節をわきまえよ」
何かをするのによい時機機会。「時節を待つ」「時節到来」
[類語](1季節時季シーズン折節四季春夏秋冬時候四時時代/(2時代年代時期世紀時世じせいとき時世ときよエポック/(3時機機会チャンス好機頃合い頃おいときおり機運潮時しおどき潮合い時宜機宜好期適期時分時分どき商機勝機戦機千載一遇タイミングめった得難いまれかけがえのない希有けう盲亀もうき浮木ふぼく一期一会いちごいちえ見せ場決め所思いがけない思いがけず待てば甘露の日和ひよりあり折よく僥倖ぎょうこうここぞ一世いっせ一代最初で最後図らずも決定的瞬間契機

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「時節」の意味・読み・例文・類語

じ‐せつ【時節】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一年のうちで、移り変わってゆく天候や風景などによって感じられるその折の季節。時候。
    1. [初出の実例]「冉冉逝不留、時節忽驚秋」(出典:懐風藻(751)七夕〈吉智首〉)
    2. 「なつかしい紫のヂキタリスと苦い珈琲の時節」(出典:桐の花(1913)〈北原白秋〉昼の思)
    3. [その他の文献]〔裴説‐春早寄花下同人詩〕
  3. 時間。時期。
    1. [初出の実例]「義経身体髪膚を父母にうけて、いくばくの時節をへず故守殿御他界の間」(出典:平家物語(13C前)一一)
    2. 「ニワトリガ ナケレバ、jixetuo(ジセツヲ) ハカルコトガ カナワイデ」(出典:天草本伊曾保(1593)雞と下女の事)
  4. ある状態になる時。物事を行なう時機。また、そうするのにふさわしい機会。折(おり)
    1. [初出の実例]「不時節譏嫌由事」(出典:興福寺牒状‐建久九年(1198)一一月一日・興福寺牒状)
    2. 「時節を待ちて、また取るべしと、呼ばはる声も、幽かに聞こゆる」(出典:謡曲・羅生門(1516頃))
  5. その時代その時代の世間の状態や世人の考え方。時世
    1. [初出の実例]「かう程にみだれん世は何事もいはれたる事はあるまじき時節なるべし」(出典:愚管抄(1220)五)
    2. 「かかる時節に忠義を尽さずんば、いつの世にかは御恩を報じ奉んや」(出典:談義本・根無草(1763‐69)前)
    3. [その他の文献]〔国語‐晉語八〕
  6. 各務支考(かがみしこう)の連句付合論に説く七名八体の付方の内、八体の一つ。春夏秋冬の季節や節句、正月などの行事をもって前句に付けること。
  7. じせつみまい(時節見舞)」の略。
    1. [初出の実例]「まづ只今は此ほうよりつかひをもって申べき所に、さうそくじせつにあづかるだん」(出典:浄瑠璃・金時都いり(1664)四)

とき‐せち【時節】

  1. 〘 名詞 〙じせつ(時節)
    1. [初出の実例]「ときせちは須磨の関にもかはらねば都に秋の風や吹くらん」(出典:忠見集(960頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「時節」の読み・字形・画数・意味

【時節】じせつ

季節。〔文選古詩十九首、七〕白露、野を沾(うるほ)し 時忽ち復(ま)た易(かは)る

字通「時」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

再生可能エネルギー

自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生され、半永久的に供給され、継続して利用できるエネルギー。有限の資源である化石燃料などに代わる、新エネルギー(中小規模水力・地熱・太陽光・太陽熱・風力・雪氷熱・...

再生可能エネルギーの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android