あん‐あん【暗暗】
〘形動タリ〙
① 暗いさま。奥深くかすかなさま。
※大観本謡曲・
景清(1466頃)「暗々たる庵室に」
※静寄軒文集(1813頃)五・赴淀城舟中分韻「花影黯々白、
柳影淡々青」 〔
楚辞‐
天問〕
② 人知れずするさま。ひそかなさま。
くれ‐ぐれ【暗暗】
〘副〙 (「くれくれ」とも。
多く「と」を伴って用いる) 心が暗く沈んで悲しみにくれるさま、
思案にくれるさまを表わす語。
※
万葉(8C後)五・八八八「常知らぬ道の
長手(ながて)を久礼久礼
(クレクレ)と如何にか行かむ
糧米(かりて)は無しに」
※
歌舞伎・
幼稚子敵討(1753)四「心がくれぐれとして、深き所へ沈み入
(いる)やうに侍るは」
くら‐ぐら【暗暗】
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる) 暗くてはっきりと見えないさまを表わす語。ぼんやり。
※公任集(1044頃)「
白雲に跡くらくらと行くかげもとひもやすると思ひける哉」
※
今昔(1120頃か)二六「暗々
(くらくら)にぞ家に
行着たる」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「暗暗」の意味・読み・例文・類語
くら‐ぐら【暗暗】
[名]薄暗い時刻。日暮れ方。
「急ぎ立ちて行く程に、―にぞ家に行き着きたる」〈今昔・二六・一七〉
[副]暗くて物がよく見えないさま。
「白雲に跡―と行くかずもとひもやすると思ひけるかな」〈公任集〉
あん‐あん【暗暗/▽闇▽闇】
[ト・タル][文][形動タリ]
1 暗いさま。はっきりしないさま。
「一間と離れた先は黒―として」〈荷風・地獄の花〉
2 表立たないさま。ひそかなさま。「―のうちに了解し合う」
くれ‐ぐれ【▽暗▽暗】
[副]《上代は「くれくれ」》心が暗く悲しみに沈むさま。また、思案に暮れるさま。
「―と秋の日ごろのふるままに思ひ知られぬあやしかりしも」〈和泉式部日記〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「暗暗」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報