暴（読み）ボウ

デジタル大辞泉

ぼう【暴】［漢字項目］

［音］ボウ（呉）　バク（慣）　［訓］あばく　あばれる
［学習漢字］5年
〈ボウ〉
１ 手荒に振る舞う。激しく荒々しい。「暴悪・暴虐・暴挙・暴君・暴言・暴行・暴動・暴風・暴力・暴戻／横暴・凶暴・狂暴・粗暴・乱暴」
２ 度を過ごす。「暴飲・暴食・暴利」
３ だしぬけに。にわかに。「暴発・暴落」
４ 素手で打ちかかる。「暴虎馮河ぼうこひょうが」
〈バク〉
１ 日光にさらす。「一暴十寒いちばくじっかん」
２ むき出しにする。あばく。「暴露」
[補説]は「曝ばく」と通用する。

ぼう【暴】

［名・形動］激しく荒々しいこと。不法なこと。無謀なこと。また、そのさま。
「今じゃア、まさかあんな―な事はできないワイ」〈逍遥・当世書生気質〉

ばく【暴】［漢字項目］

⇒ぼう

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

あばれ【暴】

1. 〘 名詞 〙
2. ① あばれること。荒れた行ないをすること。乱暴。
   1. [初出の実例]「折やつをあばれとおもへ山ざくら〈宗俊〉」(出典：俳諧・破箒（1677）春)
3. ② ＝あばれぐい（暴食）
   1. [初出の実例]「いでや手蕎麦(てそば)のあばれ、大のみ、早ぐひ、勝手しらず」(出典：浮世草子・好色三代男（1686）二)
4. ③ 歌舞伎、長唄などの囃子(はやし)で、太鼓を主奏楽器とした演奏。荒事師の出や立ち回りに用いる。
   1. [初出の実例]「トあばれになり、雷雲、羽織衣裳の形(なり)にて、天秤棒(てんびんぼう)に大福帳の荷を附け」(出典：歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚（1809）三立)

ぼう【暴】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
2. ① あらあらしいこと。荒く、激しいこと。また、そのさま。
   1. [初出の実例]「星体の天上を行は、〈略〉暴ならず遽ならずして」(出典：暦象新書（1798‐1802）上)
   2. [その他の文献]〔詩経‐邶風・終風〕
3. ② 道理にそむいていること。不法であること。乱暴であること。また、そのさま。
   1. [初出の実例]「主暴不_レ諫非_二忠臣_一(シュボウナルヲイサメザルハチウシンニアラズ)〔新序〕」(出典：文明本節用集（室町中）)
   2. 「紂が暴なと云て伐が吾はさて暴ではない歟不知非也」(出典：史記抄（1477）一一)
   3. [その他の文献]〔論語‐堯曰〕

出典　精選版 日本国語大辞典