動物分類学上、一門を構成する動物群。袋形(たいけい)動物や扁形(へんけい)動物に近縁の動物群と考えられており、曲虫類や内肛動物(ないこうどうぶつ)ともよばれている。スズコケムシなどを含む小群で、一部の淡水産のほかはすべて海産である。群体性と単体性の種があり、群体性のものは各種の固定物の表面に着生する。単体性の種は、一部を除いてほかの動物の体表または棲管(せいかん)内壁に付着するか、あるいは自由生活をしている。体は0.2~10ミリメートルで、萼(がく)部とその下の細長い柄部よりなり、短棒状かラケット状をしている。萼部は体の本体で、上縁または上前縁に1列の触手冠があり、その中に、口、排出孔、生殖孔、肛門(こうもん)が開いている。萼部には、食道、胃、腸、終腸よりなるU字状の消化管、排出器、生殖器、神経節などがある。柄部には筋組織があり、自由生活をする種ではその下端に特殊な移動器官がある。
雌雄同体の種と雌雄異体の種があり、繁殖は出芽による無性生殖と卵による有性生殖を行う。卵は体内で受精し、トロコフォラ型幼生で産み出される。幼生は大部分の種では変態して成体になるが、一部の種では幼生生殖を行う。群体性の種は強い再生能力をもつが、単体性のものでは再生は確かめられていない。また、群体性の種は生態的性質から広い分布を示す傾向があり、単体性の種は宿主に対する強い選択性を示す傾向があるので、分布はその宿主に規制される。
[紺野一碩]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
※「曲形動物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新