書物(読み)ショモツ(その他表記)book

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デジタル大辞泉 「書物」の意味・読み・例文・類語

しょ‐もつ【書物】

本。書籍。
[類語]書籍図書書冊ブック文献典籍古典冊子書巻ふみ著作著書

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精選版 日本国語大辞典 「書物」の意味・読み・例文・類語

かき‐もの【書物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 書いたもの。文章や書類。
    1. [初出の実例]「身がむこいりした時のかき物をすぐにやる程に」(出典:虎明本狂言・庖丁聟(室町末‐近世初))
  3. 文字、文章などを書くこと。
    1. [初出の実例]「四月已来著述は休み居候而、只何の評かの評のと、不経済なる書ものにのみ日をくらし候」(出典:小津桂窓宛馬琴書簡‐天保四年(1833)七月一四日)
  4. 演劇用語。
    1. (イ) 新作の脚本。書き本。
    2. (ロ) 舞台上で使用する証文、手紙、血判状など作者部屋で書いておくもの。

しょ‐もつ【書物】

  1. 〘 名詞 〙 書籍。本(ほん)。図書。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「人生は落丁の多い書物に似てゐる」(出典:侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉人生)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐戴封伝〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「書物」の意味・わかりやすい解説

書物
しょもつ
book

本,書,書籍,図書などともいう。文学ないし学術の出版作品。ユネスコでは統計目的のために「表紙を含めて 49ページ以上の非定期の印刷刊行物」と定義しているが,厳密には書物とみなされているさまざまな出版物を十分にカバーできない。書物の形態,内容にはその長い歴史のなかに大きな違いがみられるとはいえ,いくつかの普遍的特徴も認められる。最も明確な特徴は,コミュニケーションの道具として役立つことを目的としている点である。バビロニア粘土板文書エジプトパピルス巻物中世羊皮紙写本,紙に印刷された本,マイクロフィルム,さまざまな他の媒体やその組合せといった多様な形態の書物の目的は,コミュニケーションの道具として役立つことであった。書物の第2の特徴は,内容を伝えるために文章や絵,記譜法のような視覚的シンボルを用いることである。第3の特徴は,実際に流布させるために出版するということである。したがって,書物は大衆への流布を意図して比較的簡単に持運べるように,軽く耐久性がある素材に書かれた (あるいは描かれた) 相当な長さのメッセージと定義される。基本的な目的は,携帯性と耐久性という能力によって,読み書きのできる社会において知識と情報を人々に発表し,説明し,保存し,伝達することである。
前 3000年の古代エジプトのパピルスの巻物は,同時代の古代シュメールやバビロニア,アッシリア,あるいはヒッタイトの粘土板文書よりも現代の書物の直接の祖先に近い。中国の原始的な書物は紐でつながれた木や竹の細長い板でできていた。秦の始皇帝は前 213年に焚書によって出版を禁じようとした (→焚書坑儒 ) が,書物による学問は漢朝 (前 206年~220年) のもとではぐくまれた。文献は継続的に写本され,175年孔子の文献が石板に彫刻されるようになり,拓本による保存が始った。 400年には油煙からつくられる墨が,6世紀には木版印刷が導入された。ギリシアはパピルスの巻物を採用し,それをローマに伝えた。 400年までに巻物に取って代った羊皮紙の写本は,書物の形態に革命的変化をもたらした。本文のどこであろうとページを開くこと,ページの両面にメッセージを伝えること,より長い本文を1冊にまとめることができるようになった。 15世紀までには紙の写本が一般的になった。中世の修道院には図書室と本を書き写す筆写室があるのが典型的であった。のちに印刷された本のモデルともなった中世の手書き本は,14~15世紀における人文学の発達と,その土地特有の言語に対する関心を高めることに寄与した。
15世紀後半,印刷が急速に普及した。複製をふやし,版を完成し,手書きの本とは見た目も違う新しい様式化されたパターンとともに,統一的なグラフィック・デザインを複写する印刷能力が,16世紀における思想・学問の革命を可能にした。印刷革命のもう一つの側面,つまりそれまでの口頭によるコミュニケーションに対して,視覚的なコミュニケーションが重視されはじめたことに伴う文化の変容を,M.マクルーハンは強調した。一般に 17世紀の書物は,16世紀の最もすぐれた造本技術を用いた書物より見た目では劣っていた。西洋では 17~18世紀に読者層が大幅に拡大したが,これは一つには女性の識字能力の向上に負っていた。活字のデザインも進歩した。 18世紀末に発明された図版の銅板印刷法は,オフセット印刷の基礎になった。 19世紀になると,印刷の機械化が先進工業国における書物の需要の増大に対応する手段を提供した。 W.モリスは 19世紀の終りに職人魂を復活しようとして,個人出版の運動を始めた。 20世紀には,知識の普及,記憶・検索のための新しい媒体が登場したが,書物は文化的な優勢を維持した。第2次世界大戦以後,特に児童書や教科書におけるカラーイラストの使用の増加は,高速オフセット印刷の発達を促進した。日本では1年間に約4万点,推定約 13億 7740万冊の書物が出版されている。

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普及版 字通 「書物」の読み・字形・画数・意味

【書物】しよもつ

書籍。〔後漢書、独行、戴封伝〕時に同學の石にて卒す。封、殯斂(ひんれん)(入棺)し、~喪して家に到る。家にて(あらた)めて斂するに、行時の書物、皆棺中に在るを見る。

字通「書」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「書物」の意味・わかりやすい解説

書物 (しょもつ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「書物」の意味・わかりやすい解説

書物
しょもつ

書籍

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世界大百科事典(旧版)内の書物の言及

【本】より

…本は書物,図書とも呼ばれ,最も歴史が長い情報伝達の媒体である。形態的には,自然のままの(たとえば木の葉や竹),または加工した物質的材料(たとえば羊の皮,紙)を選び,その上へ文字や図を筆写または印刷したものを有機的に配列し,保存・運搬に適するよう,その材料の性質が要求する方法でひとまとめにしたものをいう。…

※「書物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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