う‐じょう ‥ジャウ【有情】
※霊異記(810‐824)下「正覚
(しゃうがく)を成せども有情を
饒益(ねうやく)せむが故に
因位に居り」
※
徒然草(1331頃)一二八「すべて、一切の有情を見て、
慈悲の心なからんは、
人倫にあらず」 〔仁王護国経‐下〕
② 世に生を受けている人。
※往生要集(984‐985)大文五「有情無量無辺所有功徳、比二於如来一毛功徳一百千万分中レ不レ及二其一一」
③
風情があること。もののあわれが感じられること。
※碧雲稿(1419頃)
春雨「窓外芭蕉樹、無情更有情」
[
補注]
梵語 sattva は「
衆生」とも訳すが、
一説に「衆生」は広く有情、非情に通じるとする。
ゆう‐じょう イウジャウ【有情】
〘名〙 (形動)
※
当世書生気質(1885‐86)〈
坪内逍遙〉九「有情
(イウジャウ)なるが故に相聚合し、有欲なるが故に相協力す」 〔
杜甫‐哀江頭詩〕
②
感覚や感情を具えていること。また、そのさま。〔
哲学字彙(1881)〕
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デジタル大辞泉
「有情」の意味・読み・例文・類語
ゆう‐じょう〔イウジヤウ〕【有情】
[名・形動]
1 心のあること。人間としての感情があること。また、そのさま。
「―なるが故に相聚合し、有欲なるが故に相協力す」〈逍遥・当世書生気質〉
2 感情や感覚をもつこと。
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普及版 字通
「有情」の読み・字形・画数・意味
【有情】ゆうじよう(いうじやう)・うじよう(じやう)
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有情
うじょう
sattva
あらゆる生きものをいう。無感覚な草木,山河を非情,無情というのに対して,有情は,感情などの心の働きをもつものである。
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世界大百科事典内の有情の言及
【衆生】より
…とくにサットバの訳語として用いられることが多い。サットバとは存在するもの,また心識をもつものの意で,有情(うじよう),含識(がんじき)などとも訳される。古くは衆生と漢訳し,唐代の玄奘以後のいわゆる新訳では有情と訳されている。…
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