望む(読み)ノゾム

デジタル大辞泉 「望む」の意味・読み・例文・類語

のぞ・む【望む】

[動マ五(四)]《「臨む」と同語源》
はるかに隔てて見る。遠くを眺めやる。「富士を―・む展望台」

物事がこうであればいい、自分としてはこうしたい、こうなりたい、また、なんとか得られないものかなどと、心に思う。「栄達を―・む」「名声など―・まない」「誰でも幸福を―・んでいる」
特定相手に対して、こうあってほしい、こうしてもらいたいと思う。注文する。「自重を―・む」「一層の努力が―・まれる」
自分の所に来てくれるように働きかける。欲しがる。「後妻にと―・まれる」
したう。仰ぐ。「徳を―・む」
[可能]のぞめる
[類語](1見やる眺める眺めやる望見一望観望展望遠望望遠遠見とおみ/(2求める願うこいねがう欲する思う希望念ずる念願する願望する希求する庶幾する切望する切願する熱望する熱願する

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精選版 日本国語大辞典 「望む」の意味・読み・例文・類語

のぞ・む【望】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 遠くを見やる。ながめる。
      1. [初出の実例]「朕(われ)高台(たかとの)に登りて遠に望(みノソム)に、烟気(けふり)、城(くに)の中(うち)に起(た)たず」(出典日本書紀(720)仁徳四年二月(前田本訓))
    2. そうありたいと願う。こうしてほしいと思う。こい願う。期待する。ほしがる。希望する。「適切な対策が望まれる」
      1. [初出の実例]「謹みて三月を待ちて勅の旨を聞かむと佇(ノソメ)ども、尚し宣(の)り肯(か)へず」(出典:日本書紀(720)継体二三年四月(前田本訓))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 比較して見る。関係させて見る。
    1. [初出の実例]「現と種とを種に於(ノソムル)に能く幾ばくの縁と作る」(出典:成唯識論寛仁四年点(1020)八)

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