朝鮮人参(読み)ちょうせんにんじん

精選版 日本国語大辞典 「朝鮮人参」の意味・読み・例文・類語

ちょうせん‐にんじん テウセン‥【朝鮮人参】

〘名〙 ウコギ科多年草朝鮮沿海州中国東北部に自生し、薬用植物として中国、朝鮮の各地で栽培され、日本でも長野、福島、島根各県などで栽培されている。高さ約六〇センチメートル。根は淡黄白色肉質で枝分かれしている。根茎から毎年一本の茎を地上に出し、茎頂長柄をもち五個の小葉からなる掌状複葉を三~四個ずつ輪生する。小葉は長さ七センチメートル内外の長倒卵形で先がとがり縁に細かい鋸歯(きょし)がある。夏、きわめて小さな淡黄緑色の五弁花を半球状に密集してつける。果実は径約七ミリメートルの扁平な球形で赤く熟す。漢方では根を強壮薬に使う。にんじん。おたねにんじん。
浄瑠璃傾城反魂香(1708頃)中「対島の客から参った朝鮮人参、尾張大根見る様なを刻(きざみ)もせず丸ぐち

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デジタル大辞泉 「朝鮮人参」の意味・読み・例文・類語

ちょうせん‐にんじん〔テウセン‐〕【朝鮮人参】

ウコギ科の多年草。朝鮮・中国が原産。古くから薬用に栽培される。高さ約60センチ。葉は5枚ほどの小葉からなる手のひら状の複葉。夏、淡黄緑色の小花を多数つける。根は肉質で枝分かれが多く、白色で、漢方では強壮剤とする。御種おたね人参。高麗こうらい人参。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「朝鮮人参」の解説

朝鮮人参
ちょうせんにんじん

薬用人参高麗人参・御種人参などとも。ウコギ科の多年草。古くから根が強壮剤として珍重されたが,近世前期までは中国からの高価な輸入品にたより,銀の海外流出のおもな原因となっていた。幕府は享保改革期に栽培を計画し,清国商人を通して対馬国府中藩と長崎のルートから種を入手,佐渡と日光の官営薬園で試植を行った。諸藩でも殖産興業策として栽培を奨励した。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「朝鮮人参」の解説

朝鮮人参 (チョウセンニンジン)

植物。ウコギ科の多年草,薬用植物。オタネニンジンの別称

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