木曾(読み)きそ

精選版 日本国語大辞典 「木曾」の意味・読み・例文・類語

きそ【木曾】

[1]
[一] 長野県南西部、御嶽の東、木曾山脈の西側、木曾川の上流域を占める地域。現在の木曾郡(旧西筑摩郡)にあたる。国内有数の森林地帯で良材の産地。古くは美濃国に属したが、のち信濃国に属することとなった。江戸時代は尾張藩が領有した。岐曾、岐蘇、吉祖、岐岨とも表記。→木曾路木曾谷木曾山
[二] 木曾義仲をいう。
[三] 謡曲。四番目物。観世流。作者不詳。別名「埴生(はにゅう)」「木曾願書」。「平家物語」による。木曾義仲が越中国埴生に陣をしいた時、右筆の覚明は願書を書いて八幡宮に奉納する。そして、酒宴を開いて出陣を祝い、倶利伽羅(くりから)で大勝利をおさめる。
[2] 〘名〙 男児節句に飾る木刀菖蒲刀(しょうぶがたな)
随筆・嬉遊笑覧(1830)九「『羅山文集』慶安辛卯五月云々童児立紙幡木曾、これは菖蒲刀を木曾といへり」

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「木曾」の解説

木曾
(通称)
きそ

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
義長三ツ巴
初演
正徳2.9(江戸・中村座)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木曾」の意味・わかりやすい解説

木曾
きそ

球磨型軽巡洋艦」のページをご覧ください。

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世界大百科事典内の木曾の言及

【長野[県]】より


[沿革]
 県域はかつての信濃国全域にあたる。江戸末期には松本藩,飯田藩,高遠(たかとお)藩,高島藩(諏訪藩),田野口藩(後に竜岡藩と改称),松代藩,須坂藩,飯山藩,岩村田藩,小諸藩上田藩の諸藩が分立しており,木曾は尾張藩領で,そのほかにも天領,旗本領,寺社領などが入り組んでいた。1868年(明治1)伊那県が置かれて,尾張藩の所管となっていた旧天領,旗本領などを支配下に置き,翌年三河県を併合(1871年額田県に編入),70年には一部を割いて中野県を設けた。…

【百姓稼山】より

…この稼山製品には山役人の検木と,採材量に応じた運上の負担が義務づけられていた。類似の稼山は木曾,伊那の御林山にも見られたが,その多くは臨時的に行われる〈御救山(おすくいやま)〉であったことと,出願者が村単位であった点に多少の相違が見られる。【所 三男】。…

※「木曾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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