精選版 日本国語大辞典 「木綿」の意味・読み・例文・類語
き‐わた【木綿】
も‐めん【木綿・
】
ゆう ゆふ【木綿】
もん‐めん【木綿】
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Gossypiumなどに属する植物の種子毛繊維である.これは長い綿毛(lint)と短い地毛(fuzz)の2種類よりなる.前者は紡績して綿糸をつくり,おもに衣料に用いる.後者は主としてセルロースエーテル用,キュプラ(銅アンモニア法レーヨン)用のコットンリンター([別用語参照]リンター)として,工業上重要なセルロース原料となっている.綿繊維の第一次細胞膜は7~8 nm の明確なミクロフィブリルからなる環状構造を示し,セルロースを主体成分とするが,ペクチン質,ろう質も存在する.第二次細胞膜も同様に7~8 nm のミクロフィブリルからなり,これは繊維軸に対し,約30°の傾斜角をもつらせん構造を示す.これらの構造が綿繊維にみられる自然より(コンボリューション,約100回/cm)の原因とみられている.第二次細胞膜はさらに多数の同心円状に重なった0.12~0.35 μm 程度の薄膜(ラメラ)からなっている.未漂白の綿繊維は90% 以上のセルロースを含み,エーテル,アルコールで抽出後1% 水酸化ナトリウムで10時間煮沸し,精製すると99.98% 以上のセルロースからなる標準セルロースが得られる.重合度,結晶化度ともに再生セルロースレーヨンに比べてきわめて大きい.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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植物性の繊維で織った布,またはその繊維で作られた幣帛(へいはく)。麻・苧(お)・楮(こうぞ)・科(しな)・藤・葛などが代表的な原料。幣帛や榊(さかき)につけた場合,先に垂れた部分を木綿垂(ゆうしで)とよんだ。神聖視されていたためか幣帛以外にも祭礼・葬儀に用いることが多く,木綿襷(ゆうだすき)・木綿鬘(ゆうかずら)などの衣装にも使った。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しかし,樹皮繊維は堅く粗々しいものであったから,川にさらし,灰汁(あく)で煮,槌でたたいて繊維をほぐすという採糸の苦労があり,いつしか一般的でなくなり,やわらかく,紡ぐことのたやすいチョマやタイマが植物繊維の主要な原料となってきたのである。近代になって化合成繊維が出現するまで,天然繊維の主要なものは植物性の麻と木綿,動物性の絹と毛であった。エジプトでは亜麻と木綿,西アジアでは亜麻と羊毛,ヨーロッパでも亜麻と羊毛,インドでは木綿,中国では麻と絹と木綿,日本では麻と絹というのが,中世までの各地の民族の主として利用してきた繊維である。…
…たとえば白無垢(しろむく)の肌着は四位以上,それも大名は嫡男とかぎられ,熨斗目(のしめ)(腰に横縞または縦横縞のあるもの)は身分ある武士の式服であり,綸子(りんず)は一般武士には許されないなどである。地質(じしつ)の順位は綸子,羽二重(はぶたえ),竜文絹,二子(ふたこ)絹,紬(つむぎ)の順で,以下,麻および木綿となる。農民は特殊なものでないかぎり紬以上を禁じられた。…
…川柳評前句付作者。俳号木綿。号は御了簡可有(あるべし)の口ぐせを,呉服商に当てた戯号。…
…朝鮮,高麗末の文臣。朝鮮への木綿の移入者。字は日新。…
…【近田 淳雄】
[中国の近代以前の紡績]
繊維材料に手を加え,糸にし,それに撚りをかけることを意味する紡績の語は古くからあり,たとえば《漢書》には〈男子力耕,……女子紡績……〉とある。中国における材料として,絹,葛,麻,木綿,毛などがあげられよう。そのうち生糸にする技術は古くから発達したものである。…
…小作制度地主 農業経営については,大規模経営もなくはなかったが,通常は小経営であって,大土地所有者の場合も,佃農に貸しつけて小経営をやらせるのが普通であった。また明初は農家に耕地の一部に木綿または桑を植えることを義務づけ,自給自足を奨励したが,流通経済が発展するにつれ,農家もしだいにその中に組み込まれた。地域によってはもっぱら商品的作物を栽培し,食糧は他から購入するといった現象も見られ,明末には肥料を他から購入することも行われた。…
…近世以降,木綿織物を扱った問屋商人。木綿が日本で織り出されるようになったのは,15世紀末~16世紀中葉といわれるが,江戸時代に入って広く庶民層にまで衣料として利用されたことから,これを扱う商人たちも多くなり,問屋群が集散地に生成した。…
…昭和の初めまで苧屑類を〈わた〉と呼ぶ地方があったほどである。しかし江戸中期以降木綿綿が普及するにつれて,綿といえば木綿綿を指すようになった。化繊類の綿が著しく普及している現代では,ふたたび〈木綿の綿〉と特記する必要が生じている。…
※「木綿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
冬期3カ月の平均気温が平年と比べて高い時が暖冬、低い時が寒冬。暖冬時には、日本付近は南海上の亜熱帯高気圧に覆われて、シベリア高気圧の張り出しが弱い。上層では偏西風が東西流型となり、寒気の南下が阻止され...
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