朽ちる(読み)クチル

デジタル大辞泉 「朽ちる」の意味・読み・例文・類語

く・ちる【朽ちる】

[動タ上一][文]く・つ[タ上二]
腐って形がくずれたりぼろぼろになったりする。「―・ちて今にも壊れそうな廃屋
評判が衰えてしまう。すたれる。「今なお―・ちることのない名声
むなしく人生を終える。「世に出ることもなく―・ちる」
[類語](1腐る腐敗腐乱発酵饐える/(2末期的衰残弱体化衰弱衰微衰退頓挫衰え減退後退退潮地に落ちる没落落ちぶれるうらぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落堕落末路斜陽成れの果て見る影もない消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろくぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末廃れる衰える寂れる落ち目下火尻すぼみ廃退下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「朽ちる」の意味・読み・例文・類語

く・ちる【朽】

  1. 〘 自動詞 タ行上一 〙
    [ 文語形 ]く・つ 〘 自動詞 タ行上二段活用 〙
  2. 腐って形を失う。腐りくずれる。また、こわれる。
    1. [初出の実例]「遂に死(まか)りて爛(クチ)(くさ)りぬ」(出典日本書紀(720)垂仁二八年一一月(北野本室町時代訓))
    2. 「ひとり寝(ぬ)と薦(こも)(くち)めやも綾蓆(あやむしろ)緒になるまでに君をし待たむ」(出典:万葉集(8C後)一一・二五三八)
    3. 「カタナガ cuchita(クチタ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
  3. 人の名や名誉などが衰える。すたれる。
    1. [初出の実例]「人の御名のくちぬべき事をおぼし乱る」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
  4. むなしく終わる。死ぬ。
    1. [初出の実例]「かかる所に、かりにてもひとりはありや。やがてこの住処(すみか)くちぬべきより」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android