精選版 日本国語大辞典 「東京」の意味・読み・例文・類語
とう‐きょう ‥キャウ【東京】
[1] 〘名〙 東の方にある都。また、東の方の国の都。
※菅家文草(900頃)四・見田大夫禁中瞿麦花三十韻詩「小男阿視、留在二東京一」
[2]
[一] 関東地方の南西部を占める日本国の首都。明治維新のときに江戸を東京に改称。明治二二年(一八八九)一五区を区域に東京市となり、関東大震災後隣接五郡を併合して三五区に区分した。昭和一八年(一九四三)都制がしかれ、同二二年現在の二三区が成立。日本の政治・経済・文化の一大中心地。明治中期ごろまでは「とうけい」ともいった。
[二] 「とうきょうと(東京都)」の略。
[四] 特に東京駅を中心とした東京都都心部をさしていう。
[五] 広くは東京都およびその周辺の地域を含めていう。
[六] ⇒とうけい(東京)
とう‐けい【東京】
[三] 遼・金の遼陽の異称。現在の遼寧省遼陽市。
[四] 唐代、渤海(ぼっかい)の上京龍原府の異称。現在の黒龍江省琿春県の西南の地を中心としていた。
[五] 新羅の首都、慶州。現在の韓国慶州北海慶州市。
[六] 「東京(とうきょう)(二)(一)」の古称。明治初期・中期に用いた。
※西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉初上「昔の大江戸当時の東京(トウケイ)かんかん神田の八丁堀に」
[七] 都城の東半分の意で、平安京の朱雀大路より東側の区域。
※三代実録‐貞観三年(861)二月一八日壬戌「皇太后臨二御太政大臣東京染殿第一」
トンキン【東京】
(Tonkin)
[1] インドシナ半島、ベトナム北部一帯のヨーロッパ人による旧称。現在この名はまったく用いられない。一九世紀末からフランス領インドシナの一部となり、一九四六年ベトナム民主共和国が成立。デルタ地帯を中心に水田の二期作が行なわれる。中心都市ハノイ。
[2] 〘名〙 インドシナ半島、東京・安南地方産の舶来物。織物・陶器・竹などがある。
※歌舞妓年代記(1811‐15)一「とんきん北きん唐音の こぶしの内のけん酒や」
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