東風(ひがしかぜ)(読み)ひがしかぜ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東風(ひがしかぜ)」の意味・わかりやすい解説

東風(ひがしかぜ)
ひがしかぜ

東方から西に向かって吹く風。中国や日本では東風は春の風の代表とみられ、春の風が軟らかなことから「こち」(は小、は風の古語)とよばれた。グローバル(全地球的)にみると、東風としての風系には次の三つがある。

(1)赤道東風 夏半球の赤道地帯で、貿易風の高さが8~10キロメートルの対流圏上層にまでも及ぶ場合をいう。別名、深い貿易風ともいう。

(2)熱帯東風 貿易風のこと。亜熱帯東風とよばれることもある。通常この上空には反対貿易風とよばれる西風が吹いている。

(3)極東風 亜寒帯低気圧帯の北側に沿って吹く東風。北半球ではほぼ定常的に存在するアリューシャン低気圧アイスランド低気圧の北側で、はっきりと現れる。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android