果てる(読み)ハテル

デジタル大辞泉 「果てる」の意味・読み・例文・類語

は・てる【果てる】

[動タ下一][文]は・つ[タ下二]
続いていた物事が終わりになる。最後の所まで行き着く。終わる。「いつ―・てるともない戦い」「人通りが―・てる」
死ぬ。「異国で―・てる」「切腹して―・てる」
(動詞の連用形に付いて)すっかり…する。…し終わる。「あきれ―・てる」「困り―・てる」
[類語]死ぬ亡くなる没する逝くくたばるみまかる瞑する終わる尽きる極まる死する眠るたおれる事切れる先立つ旅立つ死去する死亡する死没する物故する絶命する絶息する永眠する瞑目めいもくする逝去せいきょする長逝ちょうせいする永逝えいせいする他界する昇天する往生おうじょうする落命する急逝きゅうせいする急死する頓死とんしする横死する憤死する夭折ようせつする夭逝ようせいする息を引き取る冷たくなるえなくなる世を去る帰らぬ人となる不帰の客となる死出の旅に出る亡き数に入る鬼籍に入る幽明さかいことにする黄泉こうせんの客となる命を落とす人死に物化まか絶え入る消え入るはかなくなる絶え果てる空しくなる仏になる朽ち果てる失命夭死臨終ぽっくりころり突然死即死

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精選版 日本国語大辞典 「果てる」の意味・読み・例文・類語

は・てる【果】

  1. 〘 自動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]は・つ 〘 自動詞 タ行下二段活用 〙
  2. [ 一 ]
    1. 限界に行きつく。終わる。終わりになる。
      1. [初出の実例]「昨日こそ年は極(はて)しか春霞かすがの山にはやたちにけり」(出典万葉集(8C後)一〇・一八四三)
      2. 「儀式がはてたのか、禽めいた顔の老人たちがぞろぞろと後につづいていた」(出典:抱擁(1973)〈瀬戸内晴美〉四)
    2. なくなる。失(う)せる。
      1. [初出の実例]「かぐや姫は、〈略〉つみの限はてぬればかくむかふる」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    3. 死ぬ。
      1. [初出の実例]「ともし火などの消え入るやうにてはて給ひぬれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)
      2. 「此ままは果(ハテ)ぬといふて三度首をさげて」(出典:浮世草子・本朝桜陰比事(1689)五)
  3. [ 二 ] 動詞の連用形に付けて。補助動詞として用いる。すっかり…する。…し終わる。完全に…してしまう。「あきれはてる」「こまりはてる」など。
    1. [初出の実例]「ものまゐりなどする程に、わがめとしりはて給ぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
    2. 「ともかくもならむを御覧じはてむとおぼしめすに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)

果てるの語誌

( 1 )類義語として「おわる」があげられる。基本的には、「おわる」が継続中の動作・作用の終止原義とするのに対して、「はてる」は限定された物・期間などが、その終局に到達することを原義とするという違いがある。
( 2 )平安時代には、仮名文では「心にむせび侍りつつ命終り侍りなば」〔源氏‐薄雲〕のような仏教語、「命終(みょうじゅう)」を訓読した「いのちおわる」などの一部の例をのぞき、もっぱら「はてる」を用い、一方漢文訓読文では「おわる」を用いるという文体による使いわけが見られる。

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