枯淡(読み)コタン

デジタル大辞泉 「枯淡」の意味・読み・例文・類語

こ‐たん【枯淡】

[名・形動]
人柄・性質などがあっさりしていて、しつこくないこと。世俗的な名利にとらわれないで、さっぱりしていること。また、そのさま。「枯淡な(の)境地
書画文章などに俗っぽさがぬけ、あっさりとした中に趣があること。また、そのさま。「枯淡な画風」
[派生]こたんさ[名]

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精選版 日本国語大辞典 「枯淡」の意味・読み・例文・類語

こ‐たん【枯淡】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 俗世間名声利益などにとらわれないで、あっさりしていて趣があること。絵画や文章などが淡々としていて、しかも情趣があること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「真如春渓来、陳家活枯淡」(出典:臥雲日件録‐文安三年(1446)一二月二六日)
    2. 「枯淡をまもるものおほく一世を全くす」(出典:十善法語(1775)八)
    3. [その他の文献]〔黄庭堅‐戯答陳元輿詩〕

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普及版 字通 「枯淡」の読み・字形・画数・意味

【枯淡】こたん

かれて素朴さがある。〔渓漁隠叢話前集三、五柳先生下〕予(われ)、古今の詩をるに、惟だ州(応物)のみ、其の閑を得たり。ほ其の枯淡を得ず。柳州柳宗元)獨り之れを得たり。但だ其の少(やや)(つよ)きを恨むのみ。

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