デジタル大辞泉 「柏」の意味・読み・例文・類語
はく【柏】[漢字項目]
〈ハク〉木の名。コノテガシワ。「松柏・側柏・
〈かしわ(がしわ)〉木の名。「柏木・
[補説]「栢」は異体字。
[難読]
( 1 )古くカシワと呼んだものに、ヒノキ科のコノテガシワ、アスナロ、ヒノキなど漢名に柏の字を持つ細い枝のものと、今のブナ科のカシワに代表される広い葉のものとがある。前者には、「万葉集」に、コノテカシワと、シダ類のイワヒバを指すイワドカシワとがあり、後者にはモクレン科のホオノキのホオガシワと、シダ類のオオタニワタリのミツナカシワがあり、いずれも日本に生える植物では大きな葉を持つ代表種である。
( 2 )カシワは広い「炊葉(かしいば)」であるとされるが、細い枝をもつ柏の仲間では、土器で食物を蒸すのに、イブキ(柏槇)が詰め物として用いられたという説もあり、広い葉のオオタニワタリは食物を包んで蒸焼きにするのに、ホオノキ、カシワ、アカメガシワ(別名菜盛葉)などは食物を盛るのに用いられたという。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
千葉県北西部、利根川(とねがわ)中流右岸の低地と、下総台地(しもうさだいち)に広がる市。1954年(昭和29)東葛飾(ひがしかつしか)郡柏(かしわ)町と小金(こがね)町、土(つち)村、田中村が合併して市制施行、東葛(とうかつ)市となり、同年、旧小金町の大部分は松戸市に分離編入され、南相馬(そうま)郡富勢(とみせ)村の一部を編入して柏市と改称。2005年(平成17)東葛飾郡沼南町(しょうなんまち)を編入。2008年中核市に移行。地名はカシワの木が多かったことに由来する。台地が広範囲に展開し、その上を複々線化されたJR常磐(じょうばん)線と国道6号が並行して走り、東武鉄道野田線と国道16号がこれを横切り、つくばエクスプレスが通じる。常磐自動車道の柏インターチェンジもある。807年(大同2)僧空海が開いたという布施弁財天(ふせべんざいてん)(東海寺)があり、中世には戸張(とばり)氏の戸張城や相馬氏の根戸(ねど)城が築かれた。江戸時代には幕府直轄の馬の放牧地「小金牧(こがねまき)」が置かれ、そのうちの上野牧と高田台牧に属しており、手賀沼沿岸の戸張は利根水運の港であった。明治以後、下総開墾会社によって小金牧への入植が進み、十余二(とよふた)、豊四季(とよしき)などの開拓集落が発生し、1890年(明治23)には利根川と江戸川を結ぶ利根運河が開削された。常磐線と東武野田線の結節点として柏の中心集落が発達し、一帯は日本初の大型公団住宅、光ヶ丘団地をはじめ、住宅団地や宅地の開発が著しく、機械・金属などの工業団地も形成された。1980年代以降、北部地域の開発が著しく、北西部に柏の葉公園が造成され、隣接して国立がんセンター(現、国立がん研究センター)東病院が1992年(平成4)に開設された。台地ではネギ、カブなど近郊野菜の生産が多く、利根川低地では米がつくられる。江戸時代に御用牧の牧士を務めた旧吉田家住宅は国指定重要文化財。利根川堤防には13キロメートルのサイクリング道があり、レクリエーションに適する。面積114.74平方キロメートル、人口42万6468(2020)。
[山村順次]
『『柏市史 資料編 1~11』(1969~1979・柏市)』
青森県西部、西津軽郡(にしつがるぐん)、津軽平野のほぼ中央にあった旧村名(柏村(むら))。現在はつがる市の南東部に位置する地域。国道101号が通じる。1662年(寛文2)弘前(ひろさき)藩4代藩主津軽信政(のぶまさ)によって開拓された新田で、藩の直営工事として約40年かけて完成した。かつては広須村と称したが、1889年(明治22)村制施行の際、広須村のシンボルとされていたカシワの木にちなみ柏村と改称した。2005年(平成17)、西津軽郡木造(きづくり)町、森田(もりた)村、稲垣(いながき)村、車力(しゃりき)村と合併して市制施行、つがる市となった。米とリンゴが主産で、1878年に古坂乙吉が植栽した日本最古といわれるリンゴの古木3本が残っている。長寿リンゴといわれ、「紅絞(べにしぼり)」2本、「祝(いわい)」1本で、幹の周囲2~3メートルに及び、県の天然記念物。
[横山 弘]
『小野昇之進著『柏村郷土史』(1964)』
千葉県北西部の市。2005年3月旧柏市が沼南(しようなん)町を編入して成立した。人口40万4012(2010)。
柏市西部の旧市。両総台地の北西端を占め,北部を利根川が流れる。1954年柏町,小金町,土村,田中村が合体し東葛(とうかつ)市として市制を施行したが,同年旧小金町の大部分が松戸市に編入されたため柏市と改称。人口32万7851(2000)。中世の豪族が居城した増尾城,戸張城などがあり,中心地の柏は近世,水戸街道の宿場町で,3・8の日の六斎市が開かれていた。また利根川と江戸川を結ぶ運河に戸張,布施などの河岸があった。周辺の台地は江戸幕府の馬牧である小金五牧の高田・上野両牧で,明治初期に下総開墾会社によって開発され,十余二(とよふた),豊四季の開拓村が成立して畑作地となった。1949年の常磐線の電化や首都外郭環状線(国道16号線)の建設によって人口が急増し,住宅団地や工業団地が続々と開発された。常磐自動車道のインターチェンジがある。柏駅前に二つの大型百貨店が進出して駅前商店街が急速に発展し,商圏は県北西部,茨城県南西部まで拡大したが,水戸街道沿いの古くからの商店街は衰えた。野田市との境に利根運河が,布施に布施弁天(紅竜山東海寺)がある。東武野田線,つくばエクスプレスが通じる。
執筆者:菊地 利夫
柏市東部の旧町。旧東葛飾郡所属。人口4万5927(2000)。手賀沼南岸に位置し,町域は手賀沼沿岸の低地と下総台地からなる。米作や野菜栽培を中心とした純農村であったが,1960年代末に国道16号線が整備され,沿線に工業団地や住宅団地がつくられた。住宅団地への入居が始まった70年代後半から人口が増加している。南西部を東武野田線が走るが,交通は旧柏市,松戸市へ通じるバス交通が主である。東京区部や周辺各市への通勤者がふえている。南に接する鎌ヶ谷市にかけて海上自衛隊下総航空基地がある。
執筆者:千葉 立也
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…これは,盗掘者の手から守るためにまわりの森林と同化し墓をカムフラージュするためと,木への信仰に起因するものと考えられる。木は梓(しん),松(しよう),柏(はく)がとくに好まれたが,これらは古代から棺材としても選ばれた木々である。それらが霊のすみかである墓に植えられたのは,死骸の腐敗を防ぎ,その復活を促し,魂をつねにその霊のもとにつなぎとめる働きをもっていると信じられたからである。…
※「柏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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