柞田庄(読み)くにたのしよう

日本歴史地名大系 「柞田庄」の解説

柞田庄
くにたのしよう

古代の苅田かりた柞田くぬいた(和名抄)を継ぎ、現柞田町を遺称地とする。近江日吉社領。建長二年(一二五〇)一一月日の九条道家初度惣処分状(九条家文書)で、道家から孫の右大臣九条忠家に譲られた新御領の一つに「(柞)田庄被寄日吉申日御供」とあり、日吉社へ申日御供料所として寄進されている。同八年後嵯峨院より二宮十禅師大行事の長日御供料、十禅師宮の不断経料および二季大般若料所として日吉社に寄進された(元応元年一〇月日「社家注進状」日吉山王新記)。建長八年八月二九日の四至示注文・実検田畠在家目録(続左丞抄)によると、同年三月一四日の宣旨を受け官使三人が入部、国使・社家使・庄官立会いのもとで実検がなされ、四至示が打たれて庄域が確定された。九条家より日吉社へ寄進されたのち、改めて後嵯峨院による正式な立庄がされたものであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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