精選版 日本国語大辞典 「柳田国男」の意味・読み・例文・類語
やなぎた‐くにお【柳田国男】
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1875.7.31~1962.8.8
日本民俗学の創始者。兵庫県出身。東大卒。青年期には新体詩人として活躍した。農商務省に入り,法制局参事官・貴族院書記官長・朝日新聞社論説顧問などを歴任。1909年(明治42)「後狩詞記(のちのかりことばのき)」を著したのち,雑誌「郷土研究」の刊行,民間伝承の会の設立,民俗学研究所の開設,日本民俗学会の結成など民俗学研究の発展に尽した。著作は人文科学の広範囲にわたる。朝日賞・文化勲章をうける。「定本柳田国男集」全31巻・別巻5,「柳田国男全集」全32巻。
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…一般にはもっと漠然と死後の世界,この世とは別の場所の意に用いられる。柳田国男によると,日本人の観念には死者が別の遠い国に行くという考えはなく,死者の霊は近くの山にとどまって,祖霊として,農耕の折り目ごとに里に下りてくるという考えが強いという。また隠れ里伝説,鼠浄土譚,竜宮譚などに見られるように口承文芸の中には,山の向こう側,海中,地の底に別世界のユートピアがあるという考えがある。…
…伊波の《古琉球》(1911),真境名の《沖縄一千年史》(1923),東恩納の《大日本地名辞書》続編二・琉球(1909)は研究を担う主体として沖縄出身研究者が出現したことを示して画期的な意義をもった。 第3の段階は柳田国男の来島(1921)を契機に折口信夫をはじめ本土の研究者の来島調査が相つぎ,現地研究者の輩出とあいまって研究が高揚した20年代半ばから第2次大戦に至る時期である。柳田は帰京後〈南島談話会〉を設立,折口ら本土の著名な研究者と伊波ら沖縄・奄美出身研究者が参加して在野の拠点になった。…
…近世,近代にわたる日本の社会で,オヤとコという民俗語の示す生活組織は実に多様であって,漢字でそれに当てた親子という関係と,その擬制としての親分・子分として解するだけでは,近世日本の儒教や近代日本の政治イデオロギーないし欧米理論中心主義の学界風潮に毒されない,より深い日本文化=社会の実証的研究は達成されない。この観点が,柳田国男や有賀喜左衛門の,創造性に富んだ学風による多大な研究成果を生んだ。柳田や有賀は中世以来使われるようになった親分・子分という言葉以前からの民俗語,オヤ・コ(親子と親分・子分を内包し一貫する統率従属・庇護依存の人格的社会関係)の意味を,第2次大戦以前の村落社会の生活を直接対象とする調査研究を通じて研究した。…
…こうした事実を探ると,玩具は太古において子どもの遊び用具としては作られてはいなかったが,同じ形態と機能のものが存在していたことはまちがいないようである。柳田国男は《こども風土記》(1941)の中で〈悉く子どもの遊びは神様の祭りからでている〉,〈子どもの遊びには大昔の,まだ,人間が一般に子どもらしかった頃に,まじめにしていたことの痕跡がある〉と述べている。 では,どうしてこうしたものが玩具となりえたのだろうか。…
…志賀重昂の《日本風景論》(1894)は小島烏水の《日本アルプス》(1910‐15)に始まる山岳文学の流れの基点となった。一方,柳田国男の場合は民俗学のフィールドワークが文学そのものとなった稀有な存在として知られる。しかし,いわゆる紀行文は,たとえば夏目漱石《満韓ところどころ》(1909),芥川竜之介《支那游記》(1925),井伏鱒二《七つの街道》(1957)のように,小説家,詩人などの余技として大量に書かれた。…
… ところが明治以来の日本では,欧米の近代化とその科学理論の普遍性に目を奪われるあまり,それらの母体に,古い地方的なもののあることが見のがされる傾向が強かった。1910年以来,新渡戸稲造柳田国男らが結成した郷土会の活躍が,この点で注目をひく。郷土会は,中央文化への偏重や近代科学の表面的な摂取を退け,郷土の実地調査をもとに生きた土着の価値を掘りあてようとする集いで,各地の調査報告を収録した雑誌《郷土研究》も発刊されるにいたった。…
…口語法の調査の結果である《口語法調査報告書・口語法分布図》(1906)によって,親不知(おやしらず)と浜名湖を結ぶ線で日本の方言が東西に分かれることがわかった。ついで,柳田国男はカタツムリの俚言(りげん)の地理的分布調査から方言周圏論を唱えて《蝸牛考(かぎゆうこう)》(1930)を著し,戦後になって国立国語研究所から《日本言語地図》6巻(1967‐75)が刊行されて,日本の言語地理学の実質的基礎ができた。方言【柴田 武】。…
…1930年代の後半に至って,アクセントの研究が画期的な飛躍をとげた。また,そのころ,柳田国男の《蝸牛考(かぎゆうこう)》が成書として世に送られ,その方言周圏論が学界の関心を集めた。やや遅れて,フランスの言語地理学が紹介された。…
…サンカは散家,山稼,山家などとも書かれてきたが,民間ではポン,ノアイ,オゲ,ヤマモンなどと呼んでおり,とくに平地の住民からは異端的に見られていた。その生活の実体は十分につかめてはいないが,現在までによるべき民俗学的研究は,柳田国男《“イタカ”及び“サンカ”》(《人類学雑誌》第27巻第6号,第8号,第28巻第2号。《定本柳田国男集》第4巻所収,1967),後藤興善《又鬼と山窩》(1940),三角寛《サンカの社会》(1965)などであろう。…
…だが日本人の死との交わり方の基本的なパターンは,それらとは明らかに違ったものである。柳田国男によれば日本人は古来,死後はその霊が家の裏山のような小高い山や森に昇ることを自然に信じてきたのだという。山に昇った荒魂(あらみたま)は時の経過とともに清められた祖霊となり,やがてカミの地位にまで上昇していく。…
…日本列島の70%以上は山と森におおわれ,各地に庶民の信仰の対象とされる数多くの聖なる霊山が点々と存在しているが,この宗教的風土こそは日本人の祖先崇拝の重要な母体であった。というのも柳田国男がいうように,死後の霊はまずそれらの山や森におもむき,一定の浄化期間を経て祖霊や神霊になると信じられたからである。いわゆる山中他界観が形成されたのであるが,むろん日本にはそれと並んで海上他界観も存在した。…
…この地誌は,未完成に終わったが,約46巻にわたる大著であった。早くから日本民俗学の創始者である柳田国男が関心をもち菅江真澄の研究に意を注いでいるが,近年内田武志が未発見史料の探索に努め,その成果を著している。 菅江真澄の生涯は,なぞに包まれている部分が多い。…
…明治政府の地名調査に対する事績はまことにみるべきものがあった。 1936年,柳田国男は《地名の研究》によって,地理・民俗学的立場から比較研究の方法を試みた。同研究法を踏襲した中野文彦は42年,日本地名学研究所(京都,のち奈良)を創設した。…
…ただし(22)の項に限っていえば,現在いうところの〈動物昔話〉との区分はきわめてあいまいである。 これに前後して,柳田国男も早くからその分類と整理には深い関心を抱いていた。実際にその種の作業を試みており,《伝説十七種》とする書名まで用意していた。…
…また英文学者土居光知の《文学序説》(1922),哲学者和辻哲郎の《日本精神史研究》正続(1926,1935)にみられる幅広い視野からの照明,哲学者阿部次郎の《徳川時代の芸術と社会》(1931)での西鶴,近松への斬新な理解等々は,いずれも日本文学に世界の風を吹きこむ役割を果たした。さらに明治期にはじまる柳田国男の一連の民間伝承研究(《昔話と文学》1938,《民謡覚書》1940など),その影響下に成った折口信夫《古代研究》3冊(1929‐30)が,日本文化・文学の基層に光をあてた業績として特記さるべきであろう。これらと前後しての,岩城準太郎《明治文学史》(1906),伊原敏郎《日本演劇史》(1904),高野辰之《日本歌謡史》(1926),五十嵐力《国歌の胎生及び発達》(1924)や,昭和に入ってからの能勢朝次《能楽源流考》(1938),黒木勘蔵《浄瑠璃史》(1943),久松潜一《日本文学評論史》5冊(1936‐50)など,時代史,ジャンル史の著述は研究の多様な分化・展開を示している。…
…たとえば,イギリス各地とアイルランドの民謡を収集したケネディPeter Kennedyは,民謡の類別に,求愛行為,愛,誘惑,不幸な結婚生活,職業,田園生活,集り,気晴し,できごと,旅をする人々,といった概念を用いている(1975)。また,日本では,柳田国男が,民謡を10種に分類することを提案した(1936)が,これも,民謡が組み込まれている社会的文脈による分類である。
[新しい定義]
共同体による選択を,さらに強調して考えると,民謡や民俗音楽を,音楽様式として定義するのではなく,その音楽が実践される過程によって定義せざるをえなくなってくる。…
… その点,雑誌《旅と伝説》7‐12(1934)が〈昔話特輯号〉を用意したのは画期的であった。冒頭に柳田国男は〈昔話の分類に就いて〉を置いて,はじめて独自の見解を明らかにした。その方法は《昔話採集手帖》(1936)の準備を機会にいっそう論理づけられ,体系立てられて,やがて《日本昔話名彙》(1948)に結実した。…
※「柳田国男」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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