(読み)リツ

デジタル大辞泉 「栗」の意味・読み・例文・類語

りつ【栗】[漢字項目]

人名用漢字] [音]リツ(漢) [訓]くり
〈リツ〉
果樹の名。クリ。「栗子りっし
おののく。「股栗こりつ
〈くり(ぐり)〉「栗色栗飯甘栗毬栗いがぐり
[難読]団栗どんぐり栗鼠りす

くり【×栗】

ブナ科の落葉高木。山地に生え、葉は長楕円形で先がとがる。6月ごろ、黄白色のにおいの強い雄花の穂をつけ、その基部に雌花をつける。種子はふつう3個、いがに包まれた実を結ぶ。種子は食用、材は枕木や建材に、樹皮・いがは染料に用いる。品種が多く、果樹として栽培。クリ属には12種があり、甘栗で知られるチュウゴクグリや、ヨーロッパグリ・アメリカグリなどがある。 実=秋 花=夏》「―食むや若き哀しき背を曲げて/波郷

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精選版 日本国語大辞典 「栗」の意味・読み・例文・類語

くり【栗】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ブナ科の落葉高木。また、その実。北海道の南西部、本州、四国、九州の山地に生え、果樹として栽培もされる。幹は高さ一〇メートル、径三〇センチメートルぐらいになる。葉は短い柄のある長楕円形で長さ六~一五センチメートルになり、縁には針状にとがった切れ込みがある。雌雄同株。初夏、長さ一〇~二〇センチメートルの黄白色の雄花穂をつけ、その基部に二~三個の雌花がつく。果実は熟すと裂開する扁球形のいがに包まれており、堅い果皮と渋皮をとり去って食用にする。材は堅く、腐朽しにくいので、建築、船舶、器具、枕木用材とし、またシイタケの培養原木や薪炭材にも使う。樹皮のタンニンは染料および鞣(なめし)革に用いる。栽培種としては本種の他に、アマグリ(シナグリ)、ヨーロッパグリなどが栽培されている。マロン。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「詔して天の下をして桑・紵(からむし)・梨・栗(くり)蕪菁(あをな)等の草木を勧め殖ゑ令む」(出典:日本書紀(720)持統七年三月)
    2. 「瓜はめば 子ども思ほゆ 久利(クリ)はめば ましてしのはゆ」(出典:万葉集(8C後)五・八〇二)
  3. の木材。栗材(くりざい)
    1. [初出の実例]「くりのきばしらを、たうたうとよりこませ、ねびきにさせて」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)六)
  4. くりいろ(栗色)」の略。
  5. くりのもと(栗本)の衆(しゅう)」の略。
  6. 紋所の名。栗の実に二枚の葉を配したもの。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「栗」の解説

くり

?-1728 江戸時代中期の農婦
甲斐(かい)田中村(山梨県一宮町)の人。おさなくして孤児となり,長じて農民安兵衛にとつぐ。享保(きょうほう)13年の大洪水の際,身動きできぬ病気の夫の側をはなれず,ともに溺死(できし)。幕府にその行為をたたえられ,文政12年(1829)田中村に碑がたてられた。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「栗」の解説

栗[果樹類]
くり

関東地方、茨城県の地域ブランド
主にかすみがうら市・石岡市・笠間市で生産されている。茨城県の栗の生産量は全国一。1897(明治30)年頃から栽培がおこなわれいる。現在でも先人から蓄積された栽培技術を用い、高品質な栗栽培が実践されている。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「栗」の解説

栗 (クリ)

学名:Castanea crenata
植物。ブナ科の落葉高木,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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