根茎(読み)コンケイ

デジタル大辞泉 「根茎」の意味・読み・例文・類語

こん‐けい【根茎】

根と茎。
地下茎の一。根に似て地中をはい、節から根や芽を出す。ハスタケなどにみられる。
[類語]花茎地下茎球茎塊茎鱗茎蕗の薹芋蔓

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精選版 日本国語大辞典 「根茎」の意味・読み・例文・類語

こん‐けい【根茎】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 根と茎。転じて、根本。基礎。
    1. [初出の実例]「奇木異草より花菓根茎の類に至る迄名を附し」(出典:西洋聞見録(1869‐71)〈村田文夫〉前)
    2. [その他の文献]〔論衡‐超奇〕
  3. 植物の茎の特殊形態の一つ。地中を長く横にはい、根のようにみえる茎で、ハス、タケ、多くのシダ類などにみられる。〔植学訳筌(1874)〕

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普及版 字通 「根茎」の読み・字形・画数・意味

【根茎】こんけい

木の根と枝の幹。〔本草経序例〕に陰陽配合り。子母兄弟、根實なり。

字通「根」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「根茎」の意味・わかりやすい解説

根茎
こんけい

地下または地表や岩上などを横にはい、一見して根に似た外観を呈する茎。地上に葉を出すかまたは鱗片葉(りんぺんよう)をつけるなどで、外部形態からも根と区別できるし、内部構造を調べれば維管束配置から明瞭(めいりょう)に識別される。養分貯蔵して越冬栄養繁殖に役だつものが多い。ドクダミ、ヒルガオ、アヤメなど被子植物にも例は豊富であるほか、シダ植物にはきわめて普遍的である。ゼンマイなどの地下部は節間(せっかん)が短くて直立するが、習慣上これも根茎とよぶ。

[福田泰二]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「根茎」の意味・わかりやすい解説

根茎
こんけい
rhizome

茎の変態の一つ。主として地下または地表面をはうように伸びて,一見根のような形をした茎。地中のものはときに貯蔵の組織が発達して (カキツバタ,アマドコロなど) 塊状となる。タケ,ヨシなどのイネ科植物,ワラビなどのシダ植物で最も発達した形がみられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「根茎」の意味・わかりやすい解説

根茎 (こんけい)

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世界大百科事典(旧版)内の根茎の言及

【茎】より

…シダ植物と顕花植物(両者を合わせて維管束植物という)の体の部分のうち,葉や芽をつける軸状構造の器官である。樹木の幹は主茎が二次肥厚したものでその顕著な例は屋久杉やセコイアの巨木にみられるが,一方シダ植物の根茎のように地中にあって目立たないものもある。先端に花をつける花茎も茎の一種である。…

【地下茎】より

… 地下茎は地面からすぐ下にある場合が多いが,スギナやハスなどのようにかなり深く地中を横走することもあり,これらの場合通気腔が発達している。地下茎はその形状から,横にはうものを根茎rhizome,塊状,球状のものを塊茎tuber,球茎corm,鱗片葉がつくものを鱗茎bulbなどという。シダ類のワラビやウラジロの地下茎は地中を長くはい,枝分れし,典型的な根茎であるが,斜上したり短く直立する根茎もある。…

【匍匐茎】より

…ワラビ,シノブ,チドメグサ,オランダイチゴ,ユキノシタなどはその一例である。地中をはう匍匐茎は根茎rhizomeとも呼ばれる(ワラビなど)。匍匐茎はふつう分枝し,主茎と側枝がともに伸びるが,チドメグサのように茎端は花に終わり,かわりに腋芽(えきが)がのびる場合もある。…

※「根茎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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