中国、東晋(とうしん)の陶潜(とうせん)の著した物語。陶潜の編になるという『捜神後記(そうじんこうき)』に収められている。東晋の太元(たいげん)年間に、武陵(ぶりょう)の漁師が桃の花の林に踏み迷い、洞穴(ほらあな)を抜けて不思議な村里へ出る。村人たちは、先祖が秦(しん)の始皇帝の圧政を逃れてここへきてより、外の世界と隔絶して平和に暮らしているのであった。漁師はしるしをつけながら帰り、太守に注進する。太守は漁師に案内させて探索させたが、しるしは消えていて、ついに尋ね当てることができなかった、という筋(すじ)である。これに似た話はほかにもあり、当時このような説話(仙郷淹留(えんりゅう)説話という)がはやっていたのだろう。なお、この物語より、理想郷を称して「桃源郷(境)」とする語が生まれた。
[石川忠久]
『佐藤保他訳『中国の古典26 古文真宝』(1984・学習研究社)』
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化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...
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