精選版 日本国語大辞典 「桟敷」の意味・読み・例文・類語
さ‐じき【桟敷】

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日本の劇場における上級の観客席の称。古代祭祀(さいし)において神招(お)ぎの場とされた「さずき」(仮床)が、平安時代には貴族の祭り見物のために仮設される見物席の称に用いられ、さらに中世には神事あるいは勧進の猿楽(さるがく)や勧進田楽(でんがく)などの興行に際して設置される高級の観客席の名称として定着した。歌舞伎(かぶき)や人形浄瑠璃(じょうるり)の劇場もこれを継承し、桟敷席を設けた。初期には三尺高一層式で、下は吹抜けになっていたが、元禄(げんろく)期(1688~1704)には二層式になり、簾(すだれ)なども華美なものを用いるようになった。上等の観客はそれぞれ出入りの芝居茶屋を通じて席を予約し、桟敷で見物した。1階の桟敷を鶉(うずら)と通称するのは、土間の客が立ち入るのを防ぐために2本の横木をはめたのが、鶉の籠(かご)に似ていたからである。1720年(享保5)の江戸・中村座には、東15間、西16間、向(むこう)9間、合計40間(約73メートル)の桟敷があった。
関東大震災(1923)以後、ほとんどの劇場が椅子(いす)席に改められたが、今日でも東京の歌舞伎座、新橋演舞場、大阪の新歌舞伎座、京都の南座などにその名残(なごり)をとどめている。なお、相撲(すもう)場でも桟敷席の称を使っている。
[服部幸雄]
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…発生的に見ると,初期の女歌舞伎,若衆歌舞伎の時代には先行の勧進猿楽の舞台を襲用し,見物席は屋根を持たない〈芝居〉(芝の生えている場所の意)であった。屋根の付いた桟敷(さじき)が発生すると,これに対する見物席の称として用いられたが,やがて劇場全体を指し,さらにはそこで演じられる演劇自体をも〈芝居〉と呼ぶに至ったのである。最初,周囲は竹矢来を組んだ上に莚(むしろ)をかけた虎落(もがり)で囲み,中央に高く櫓を構え,その下に鼠木戸(〈鼠戸〉とも)という狭い出入口を2ヵ所設けただけの簡単なものであった。…
※「桟敷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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