棚霧らふ(読み)タナギラウ

デジタル大辞泉 「棚霧らふ」の意味・読み・例文・類語

たなぎら◦う〔たなぎらふ〕【棚霧らふ】

[連語]動詞「たなぎる」の未然形反復継続の助動詞」。上代語》雲が空全体に広がる。霧が一面にかかる。
「―◦ひ雪も降らぬか梅の花咲かぬがしろにそへてだに見む」〈・一六四二〉

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精選版 日本国語大辞典 「棚霧らふ」の意味・読み・例文・類語

たなぎら‐・う‥ふ【棚霧う】

  1. 〘 連語 〙 ( 動詞「たなぎる(棚霧)」の未然形に、反復・継続の助動詞「ふ」の付いたもの ) 一面にかき曇る。霧、霞が一面にたちこめる。
    1. [初出の実例]「棚霧合(たなぎらひ)雪も降らぬか梅の花咲かぬが代(しろ)に添へてだに見む」(出典万葉集(8C後)八・一六四二)

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