楞厳経(読み)りょうごんきょう

精選版 日本国語大辞典 「楞厳経」の意味・読み・例文・類語

りょうごん‐きょう ‥キャウ【楞厳経】

仏書。「大仏頂如来密因修証了義諸菩薩万行首楞厳経」の略。一〇巻。般剌蜜帝訳。修禅、耳根円通などについて禅法要義を説いた経。首楞厳経。

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世界大百科事典 第2版 「楞厳経」の意味・わかりやすい解説

りょうごんきょう【楞厳経 Léng yán jīng】

大乗仏典の一つ。10巻。詳しくは,《大仏頂如来密因修証了義諸菩薩万行首楞厳経》といい,唐の則天武后の時代(690‐704)に,インド僧般刺蜜帝が南海の制司寺で口訳し,ちょうど流謫中の房融が筆録したとされる。早くより偽経の疑いがあるように,新しく興りつつあった禅や菩薩戒密教教義を,仏説の権威を借りて総合的に主張しようとしたものらしい。楞厳とは,クマーラジーバ(鳩摩羅什)訳の《首楞厳三昧経》と同じく,堅固な三昧の意である。

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