横川吸虫症(読み)よこがわきゅうちゅうしょう(その他表記)Metagonimiosis

家庭医学館 「横川吸虫症」の解説

よこがわきゅうちゅうしょう【横川吸虫症 Metagonimiosis】

[どんな病気か]
 アユウグイなどの川魚を生(なま)で食べ、横川吸虫幼虫(被嚢幼虫(ひのうようちゅう))を摂取することで感染します。現在も日本では多くみられます。
[症状]
 ふつうは無症状ですが、多数が寄生すると腹痛下痢げり)、粘血便(ねんけつべん)がみられます。
[検査と診断]
 遠心沈澱法(えんしんちんでんほう)による糞便(ふんべん)検査を行ない、虫卵(ちゅうらん)が検出されれば診断がつきます。虫卵が小さいため、検査は注意深く行なわれます。
[治療]
 治療としては、プラジカンテルを1日内服することで、治ります。
[予防]
 川魚の生食をしないことです。とくにアユのたたきやぶつ切り三杯酢などは危険です。

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内科学 第10版 「横川吸虫症」の解説

横川吸虫症(吸虫症)

概念
 横川吸虫(Metagonimus yokogawai)の感染による.現在でも偶発的に虫卵が検出される症例があるが,近年報告数は減少している.
病因・感染経路
 第二中間宿主である淡水魚(アユ,フナ,シラウオなど)の生食により感染し,小腸粘膜に吸着して生活する.組織侵入性はなく,胆管へ侵入することもない.
臨床症状
 ほとんどの症例は無症状に経過する.
診断・治療
 糞便中から虫卵を検出することで診断する.診断の確定には,駆虫後に糞便から成虫を採取して形態学的に種を同定する必要がある.多数感染で下痢などの症状を伴う際には治療適応があるが,一般的には無治療でも自然経過で成虫は排除され,治癒することが多い.治療はプラジカンテルを早朝空腹時に内服させ,2時間後に塩類下剤投与し虫体を回収する.[前田卓哉]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「横川吸虫症」の意味・わかりやすい解説

横川吸虫症
よこがわきゅうちゅうしょう
metagonimiasis yokogawai

横川吸虫の第2中間宿主である淡水魚を生食し,幼虫が人体腸管に寄生した場合に起る。幼虫はヒトの体内に入ってから約1週間後に成虫になる。少数の寄生では症状はない。多数が寄生した場合,小児では腹痛,下痢が激しく,成人でも頑固な下痢,食欲不振,腹痛があるし,発熱,肝腫を伴うこともある。淡水魚の生食を避け,四塩化エチレンチモール,カマラ,ビチオールで駆虫する。

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栄養・生化学辞典 「横川吸虫症」の解説

横川吸虫症

 横川吸虫の感染によって起こる症状.腹痛,下痢,発熱,肝腫大などがみられる.アユ,ウグイなどの生食により感染する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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