おう‐ちゃく ワウ‥【横着】
〘名〙 (形動)
① ずうずうしいこと。ずるいこと。ずるいことを押し通すこと。また、そのさま。
※
謡曲・
夜討曾我(1480頃)「兄弟の者が年月狙ふた祐経もそれをよく知られたれども横着な人ぢゃぞ」
※浮世草子・日本新永代蔵(1713)四「四文のつり取らんといふに、はやなら茶舟を漕ぎだして、遂にこれを横着(ワウチャク)にしける」
② 怠けてすべきことをしないさま。
骨惜しみをするさま。
※虎明本
狂言・
薩摩守(室町末‐近世初)「舟頭と、かれ竹とははしらぬものじやと申が誠じや、あれほどわうちゃくな者はなひ」
[語誌]
中世になって見られる語。現在では普通「横着」という漢字をあてるが、狂言では「わうちゃく」〔虎明本狂言〕、「おおちゃく」〔
狂言記〕などの仮名書きや、「大ちゃく」〔続狂言記〕などが用いられている。一方、「運歩色葉」では「枉着
(ワウヂャク)」「誑着
(ワウヂャク)」という表記が見られる。現在の表記に定着していった過程、
語源などは
未詳。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「横着」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「横着」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報