精選版 日本国語大辞典 「横」の意味・読み・例文・類語
よこ【横】
〘名〙
※書紀(720)安閑元年閏一二月(寛文版訓)「長く駕(ゆ)き、遠く撫で、都の外に横(ヨコ)に逸(こえい)で」
② 南北の方向に対して、東西の方向。
④ ある物を中心としてその左あるいは右の方。かたわら。そば。わき。ほとり。付近。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)四「長もち人足横(ヨコ)にたってうたひ、馬士うしろをむきて、ひよぐりながら行道すがら」
⑤ 平面図形、特に四辺形などの、水平に引いた線、および長さ。
⑥ 無関係の立場。当事者以外の立場。局外。はた。
※浮世草子・好色一代女(1686)三「年中偽(うそ)と横(ヨコ)と欲とを元手にして世をわたり」
⑧ 序列を乱すこと。
※醍醐寺新要録(1620)「貞永元年六月廿五日宣下、〈略〉今忽以二新儀一、横被レ補了」
⑨ 織物のよこいと。〔倭語類解(17C後‐18C初)〕
※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「大臣のふびんがらるる女郎を、透を見て横(ヨコ)をいたしたがる」
⑪ 横臥すること。横に寝ること。
⑫ 階級・身分などの上下関係に対して、同列のもの、地位・水準などが同じであるものどうしの関係。
※「山びこ学校」訪問記(1951)〈臼井吉見〉中野好夫氏に「このように横のつながりを強くし、広くして進んでいるのですから」
おう ワウ【横】
〘名〙
※花鏡(1424)奥段「老声は、生声尽きて、あるひはわう、あるひは〔主〕、又は相音(あひおん)などの残声にて、曲よければ、面白き感聞(かんもん)あり」
② 仏語。真宗の二双四重の教判で説く、豎(じゅ)の対語で、他力浄土門をいう。→横超(おうちょう)。
※教行信証(1224)三「就二菩提心一有二二種一、一者堅、二者横」
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