(読み)カン

デジタル大辞泉 「款」の意味・読み・例文・類語

かん【款】[漢字項目]

常用漢字] [音]カン(クヮン)(呉)(漢)
打ち解けた心。真心。よしみ。「款待款談/交款」
取り決めの条項。「条款定款約款
まとまった金額。「借款
金石にくぼませて彫った文字。また、書画に書きつける文字。「款識かんし落款
[名のり]すけ・ただ・まさ・ゆく・よし
難読款冬やまぶき

かん〔クワン〕【款】

まごころ。また、親しい交わり。
法律文や規約などの条項。箇条書き。
予算決算費目区分の一。部・款・項・目・節の順となる。
金石などに文字をくぼめて刻むこと。また、その文字。→款識かんし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「款」の意味・読み・例文・類語

かんクヮン【款・&JISEBBD;】

  1. 〘 名詞 〙
  2. まごころ。まこと。誠実。〔荀子脩身
  3. 交わり。親しみ。よしみ。〔徐陵‐答李顒之書〕
  4. よろこぶこと。
    1. [初出の実例]「安岑等自欵云」(出典:日本三代実録‐貞観五年(863)八月一七日)
    2. [その他の文献]〔宋孝武帝‐七夕詩〕
  5. 文字をくぼめて刻むこと。または、鏡や鼎(かなえ)などにくぼめて刻まれた文字。→款識(かんし)
  6. 法令、条文などの箇条書き。ひとつがき。
  7. 予算書、決算書などの分類に用いる語。部の下、項の上のまとめの単位。
    1. [初出の実例]「上欵」(出典:大蔵省事務章程節録‐明治四年(1871)八月一九日(法規分類大全))
  8. 罪人白状。口供状。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【款状】より

…官人・僧侶が位階や官職の叙任や昇進を望むため,自己の経歴・功績,あるいは祖先のことを書いた自薦の文書。平安時代初期からあり,はじめは申文といわれ,鎌倉時代ころから款状というようになった。〈款〉は偽りなく誠を尽くすの意。…

※「款」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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