正則(読み)セイソク

デジタル大辞泉 「正則」の意味・読み・例文・類語

せい‐そく【正則】

正しい規則正式のしかた。
規則にかなっていること。正規。正式。
「駒井先生の英学は―ではなかったが」〈蘆花思出の記
数学で、複素平面一定領域で定義された複素変数関数が、領域内のすべての点で微分可能なこと。
[類語]正しい正式正規・規範的・本格的正格正統正調本式公式フォーマル格調格式品格品位風格おおやけ公的本物儀礼礼法礼式礼儀風儀作法よそ行き格式張る折り目正しい合理合理的論理的理路整然ロジカル理詰め中正方正適正真正純正フェアことわり事理条理論理理屈筋道辻褄つじつま理路道筋ロジック正当至当正道本筋公正まっとうまとも合法合法的ノーマル本格本道本流主流押しも押されもせぬれっきとちゃんと道理道理至極腰を入れる本腰本腰を入れるレギュラーオーソドックスプロパー模範的象徴的代表的典型的標準的ティピカル模範手本規範モデル典型亀鑑規矩きく規矩きく準縄規則決まり定め規定規律ルールおきて文範見本かがみ範例標本サンプル雛形ひながた書式好例適例スタンダードフォーマット王道師表基準規準り所類型定型様式化スタイル正統派折り紙付き太鼓判をパーフェクト非の打ち所が無い完璧万全完全無欠傑出大出来紋切り型腐ってもたい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「正則」の意味・読み・例文・類語

せい‐そく【正則】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 正しい規則。正式の法則。きまりどおりのやり方。
    1. [初出の実例]「時候の挨拶から何から正則(セイソク)を踏で出て来た」(出典帰去来(1901)〈国木田独歩〉一三)
  3. ( 形動 ) 規則にかなっていること。また、そのさま。特に、明治時代、西洋の言語を学ぶ際に、西洋人などについて正しい語学を学ぶこと。これに対して、明治以前の西洋語の学問を変則という。
    1. [初出の実例]「昼第九字より四字まで外国教師の正則を授け」(出典:新聞雑誌‐三六号・明治五年(1872)三月)
    2. 「駒井先生の英学は正則では無かったが」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三)
  4. 数学で、複素関数が微分可能であること。行列が逆行列をもつこと。曲線が至るところ接線をもち、かつそれが連続的に変化すること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の正則の言及

【関数論】より

…複素関数論ともいい,数学の中の解析学の一つの分野である。独立変数と従属変数が複素数であるような関数を複素関数というが,関数論はそのうち正則関数およびそれに関連する関数を対象とする。独立変数が2個以上のときは,とくに多変数関数論という。…

【多変数関数論】より

関数論の中で,二つ以上の独立変数をもつ関数を対象とする分野である。 複素n次元空間Cn(n≧2)の領域Dで定義された複素数値関数, wf(z1,z2,……,zn)は,もし各点(a1,a2,……,an)∈Dで複素偏微分可能のとき,すなわち次のことが成り立つとき,Dで正則であるという。各k=1,2,……,nに対し,f(a1,……,ak-1,zk,ak+1,……,an)がzkの関数としてakの近傍で(一変数)正則関数である。…

【連立方程式】より

…連立代数方程式の解全体はm次元空間の中でのf1(x1,……,xm),……,fr(x1,……,xm)の共通零点全体であり,代数多様体をなす。解が一つもないとき,この連立方程式は不能であるといい,解が有限個のとき,正則であるという。解が無限個のとき,不定であるということがあるが,あまりよいいい方ではない。…

※「正則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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