改訂新版 世界大百科事典 「正木亮」の意味・わかりやすい解説
正木亮 (まさきあきら)
生没年:1892-1971(明治25-昭和46)
検事,弁護士,刑事政策学者。広島県生れ。牧野英一の教育刑論の影響から監獄の理論および実務に関心を持ち,1918年,東京帝大卒業後,検察官として監獄行政を担当する。志願囚となり,実際に監獄生活も体験した。司法省にあって,監獄改良に努力し,仮釈放審査規程,行刑累進処遇令など行刑関係法令の立案に関与するなど,その制定に寄与した。1941年司法省行刑局長となり,その後,刑政局長,広島・名古屋各控訴院検事長を歴任。戦後は弁護士となり,矯正協会会長などとして矯正保護の分野で尽力した。また死刑廃止論者としても知られている。代表的な著書には《監獄法概論》《刑事政策汎論》《新監獄学》などがある。
執筆者:山口 厚
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報