デジタル大辞泉 「正法」の意味・読み・例文・類語 しょう‐ぼう〔シヤウボフ〕【正法】 仏語。1 正しい教え、すなわち仏法。2 三時の一。仏の教えがよく保たれ、正しい修行によって悟りが得られる時代。仏滅後500年または1000年の間。正法の時。正法時。 せい‐ほう〔‐ハフ〕【正法】 1 正しい法則。正しいやり方。2 法の理念に適合する、客観的正当性を備えた法。シュタムラーの用いた基本概念。正当法。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「正法」の意味・読み・例文・類語 しょう‐ぼうシャウボフ【正法】 〘 名詞 〙 ( 「しょうほう」とも ) 仏語。① 正しい教法。仏の教え。[初出の実例]「思下欲レ宣二揚正法一導中御蒸民上」(出典:続日本紀‐天平一五年(743)正月癸丑)「一切衆生の父としてよろづの人を育み、正法をもて国を治め」(出典:栄花物語(1028‐92頃)うたがひ)[その他の文献]〔無量寿経‐上〕② 正・像・末の三時の一つ。仏の教えがよく保たれ、正しい修行によって悟りが得られる時代。仏滅後、五〇〇年、または一〇〇〇年の間。正法時。→正像末。[初出の実例]「今是の賢劫の尺迦一代の教文を探るに、三つの時有り。一つには正法五百年」(出典:日本霊異記(810‐824)下)③ ⇒せいほう(正法) せい‐ほう‥ハフ【正法】 〘 名詞 〙① 正しいおきて。正しい法則。また、正しいやりかた。[初出の実例]「正法をもて国をおさめたまふ故に、冥衆天道これをはぐくみ、まぼり給ふこと一子のごとし、故に天子となづく」(出典:名語記(1275)四)[その他の文献]〔史記‐三王世家〕② ( [ドイツ語] Richtiges Recht の訳語 ) 法の理念に適合する、客観的正当性をもった実定法。ドイツの法哲学者シュタムラーの用いた概念。③ ⇒しょうぼう(正法) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「正法」の読み・字形・画数・意味 【正法】せいほう(はふ) 正しい法。現行の法。〔後漢書、馬援伝〕、(さき)に阯(かうち)に在り。書をして之れ(兄の二子)を誡めて曰く、~好んで人の長短を論議し、(みだ)りに正法を是非するは、此れ吾が大いに惡(にく)むなり。字通「正」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正法」の意味・わかりやすい解説 正法せいほうrichtiges Recht 新カント主義に立脚する法哲学者 R.シュタムラーが提示した観念で,「自由に意欲する共同体」という法理念を一定の歴史的状況に即して最大限に充足した法を意味する。「内容の変化する自然法」ともいわれるが,実定法に対する指導基準としての効力ばかりでなく,実定法に欠缺がある場合には,実定法としての効力をもつとされる。 正法しょうぼう 仏教の正しい教え。また,正像末の3時のなかの一つである正法で,釈尊の滅後,その教えと修行実践とその結果としての悟りがすべてそなわっている時代のことをいう。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報