武芸十八般（読み）ぶげいじゅうはっぱん

精選版 日本国語大辞典

ぶげい‐じゅうはっぱん ‥ジフハッパン【武芸十八般】

〘名〙

① 日本や中国で、武人に必要とされた一八種の武芸。「水滸伝」巻九に「矛鎚弓弩銃、鞭簡剣鏈撾、斧鉞并戈戟・牌棒与_二鎗朳_一」とあるのに発するといわれる。日本と中国、または時代によって異なるが、日本では普通、弓術・馬術・槍術・剣術・水泳術・抜刀術・短刀術・十手術・銑鋧術（=手裏剣術）・含針術・長刀(なぎなた)術・砲術・捕手(とって)術・柔術・棒術・鎖鎌(くさりがま)術・錑(もじり)術・隠(しのび)術をいう。武芸十八番。〔新語新知識（1934）〕

② 転じて、すべての種類の武芸。武芸全般。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ぶげい‐じゅうはっぱん〔‐ジフハツパン〕【武芸十八般】

１ 中国や日本で武人に必要とされた18種目の武芸。日本ではふつう、弓・馬・槍・剣・水泳・抜刀・短刀・十手じって・銑鋧しゅりけん・含針・薙刀なぎなた・砲・捕手・柔・棒・鎖鎌くさりがま・錑もじり・隠しのびをいう。→十八般
２ すべての武芸。武芸全般。

出典　小学館

世界大百科事典 第２版

ぶげいじゅうはっぱん【武芸十八般】

数多くの武芸全般を指していう呼称。武芸十八番(事)ともいう。中国や日本で18種目の武芸を選んでいわれたが，中国と日本，また時代により異同があり，18には限定できない。元来この呼称は中国明代のころの武器により分類されたもので，《水滸伝》が初見といわれる。その後，明代の百科事典ともいえる《三才図会》や，少し後代の《五雑組（ござつそ）》などにもみられるが，種目は同じではない。日本にこの呼称が移入されるのは，これらの文献が日本で復刻もしくは翻案された江戸時代中期以降である。

出典　株式会社平凡社

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

武芸十八般
ぶげいじゅうはっぱん

日本の武芸 18種目をさしていう。元来は中国において用いられた武器を分類した言葉であり，日本には江戸時代初期に伝わり，俗に武芸十八番ともいわれた。柔術，剣術，居合術，槍術，棒術，砲術，弓術，なぎなた術，馬術，水泳術などが含まれるが，18種の呼称や種目などにはいくつかの説がある。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

日本大百科全書(ニッポニカ)

武芸十八般
ぶげいじゅうはっぱん

→武芸

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)