死火山(読み)シカザン

デジタル大辞泉 「死火山」の意味・読み・例文・類語

し‐かざん〔‐クワザン〕【死火山】

火山ではあるが、有史時代以後噴火の記録がない山。月山がっさん大山だいせんなど。近年この語は用いなくなった。→活火山休火山
[類語]火山休火山活火山噴火山単成火山複成火山単式火山複式火山海底火山外輪山内輪山噴火口火口火口原火山帯クレーターカルデラ

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精選版 日本国語大辞典 「死火山」の意味・読み・例文・類語

し‐かざん‥クヮザン【死火山】

  1. 〘 名詞 〙 一度も噴火した記録のない火山。活火山、休火山に対して用いられたが、現在では休火山とともに、活火山以外の火山として分類される。
    1. [初出の実例]「北島に二円錐状活火山あり。南島は死火山なり」(出典:日本風景論(1894)〈志賀重昂〉四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「死火山」の意味・わかりやすい解説

死火山
しかざん

火山を活火山、休火山、死火山に分類した場合の噴火記録がない火山。第四紀(過去約170万年間)の火山も、大半は死火山で、大山(だいせん)(鳥取県)、箱根山(神奈川・静岡県)、大雪山(たいせつざん)(北海道)が好例。しかし、活火山、休火山は区別しがたい。さらに、有史時代の長さは各火山で違ううえに、火山の寿命に比べて短すぎ、「死火山」が第二次世界大戦後に噴火した例も、雌阿寒岳(めあかんだけ)(北海道)、西之島(東京都、新島誕生)、御嶽山(おんたけさん)(岐阜・長野県)など、少なくない。近年、この火山分類は不合理とされ、休火山、死火山の語は廃されてきた。現在は、火山を活火山とそうでない火山に分け、新定義の活火山(今後も噴火するおそれがある火山)には、従来の活火山、休火山に加えて、箱根山、大雪山など若干の死火山も含まれる。

諏訪 彰]

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百科事典マイペディア 「死火山」の意味・わかりやすい解説

死火山【しかざん】

現在まったく活動しておらず,将来的にも活動する可能性がないと思われる火山。しかし火山の活動はきわめて長期間にわたるものであり,複成火山の場合,数万年におよぶ活動の休止期間をもつ例は珍しくない。このため,活火山休火山と死火山の区別は必ずしも容易ではい。語感からも死火山という表現誤解をうみやすく問題がある。

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岩石学辞典 「死火山」の解説

死火山

有史時代に一度も活動をしたことのない火山で,火山活動が全く止まり大気の活動による破壊を受けている火山.

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世界大百科事典(旧版)内の死火山の言及

【火山】より

…したがって古い地質時代の火山は火山噴火地点としての意味が強い。
【活火山,休火山,死火山】
 火山を,(1)現在盛んに活動中のもの,(2)噴火の記録はあるが,現在は噴火もせず,噴気・硫気活動もないもの,(3)噴火の記録は残されてなく,現在も火山活動はないが,その形や構造から火山と認定されるものに分け,(1)を活火山active volcano,(2)を休火山dormant volcano,(3)を死火山extinct volcanoと呼ぶことがある。この分類は長いこと一般に使われていたが,便宜的なもので,休火山や死火山と考えられていたものが再び活動した例はいくつもある。…

※「死火山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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