殆ど(読み)ホトンド

デジタル大辞泉 「殆ど」の意味・読み・例文・類語

ほとんど【×殆ど/幾ど】

《「ほとほと」の音変化》
[名]大多数大部分。「在庫の―を売りきる」
[副]
全部とはいえないが、それに近い程度に。おおかた。大部分。「病気は―治った」
もう少しのところで。すんでのことに。「―気を失うところだった」
切実であるさま。
「十に一つもおぼつかなしと案じ続くる程に、―心細くて」〈おらが春
[類語](1大部分大方大抵大半大多数絶対多数九分通り十中八九九分九厘多く総じておおむね大概全般百般万般多数数多無数あまたあまねく通じてあらかたほぼおよそおおよそ大体総体大略押しなべて/(2すんでにすんでのことすんでの所どうにかこうにかどうにかやっとようやくなんとかかろうじてからくもやっとこさ間一髪危なくあわやすれすれようやっとどうかこうかかつがつどうやらこうやらやっとの事で曲がりなりにも

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精選版 日本国語大辞典 「殆ど」の意味・読み・例文・類語

ほとんど【殆・幾】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「ほとほと(殆)」の変化したもの。→「ほとほと(殆)」の語誌 )
    1. すっかりそうなるわけではないが、事態が進んでそれに非常に近い状況になるさまを表わす。もう少しのところで。すんでのことに。あやうく。
      1. [初出の実例]「ほとんど我門の破滅におよばんとす」(出典:俳諧・俳諧十論(1719)三)
    2. まったくというわけではないが、比率的に見て大体そういう状態であるさまを表わす。大方。あらかた。
      1. [初出の実例]「既に十二三日と云は、殆(ホトント)鎮西へ下向ござんなれ」(出典:屋代本平家(13C前)二)
      2. 「人此間に在るときは心体共に衰えざる者幾(ホト)んど希なり」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一四)
    3. 事態の継続によってその状態が切実になるさまを表わす。ほんとうに。
      1. [初出の実例]「終日の対決に拙者殆(ホトン)ど疲れ申す」(出典:浄瑠璃伽羅先代萩(1785)九)
    4. 一般に、感じたり喜んだりするさまが切実であることを表わす。まったく。非常に。
      1. [初出の実例]「いとどよだれもたらちねのとっさまかかさままでほとんどおなつかしい心地ぞする」(出典:評判記・役者評判蚰蜒(1674)伊藤小太夫)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 多くの中の大部分。十中八九。
    1. [初出の実例]「殆(ホト)んどの場合に、広告物には標題キャッチフレーズ等の可なりの大文字を必要とされる」(出典:現代広告字体撰集(1926)〈本松呉浪〉一)

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