残菊(読み)ザンギク

デジタル大辞泉 「残菊」の意味・読み・例文・類語

ざん‐ぎく【残菊】

重陽節句を過ぎたあとの菊。また、晩秋初冬まで咲き残っている菊の花。残る菊。 秋》「―や昨日逃げにし酒の礼/太祇
[類語]黄菊白菊野菊除虫菊雛菊矢車菊デージー

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精選版 日本国語大辞典 「残菊」の意味・読み・例文・類語

ざん‐ぎく【残菊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ざんきく」とも ) 重陽の節供(陰暦九月九日)を過ぎて咲いている菊の花。また、秋の終わりから冬の初めに咲いている菊の花。咲き残った菊の花。残りの菊。十日の菊。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「残菊」(出典:菅家文草(900頃)二)
    2. 「残菊や土磊塊と霜おごる」(出典:虚子句集(1915)〈高浜虚子〉冬)
    3. [その他の文献]〔唐太宗‐過旧宅詩〕

のこり‐ぎく【残菊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (かさね)色目。表は黄、裏は薄青または白。冬に用いる。
  3. のこり(残)の菊《 季語・秋 》

のこる【残】 菊(きく)

  1. 菊の節供(陰暦九月九日)すぎまで咲き残っている菊の花。残りの菊。のこりぎく。ざんぎく。《 季語・秋 》 〔至宝抄(寛永一一年本)(1634)〕

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普及版 字通 「残菊」の読み・字形・画数・意味

【残菊】ざんきく

晩くまで咲き残った菊。唐・白居易〔晩秋の夜〕詩 開いて殘疎籬(そり)に傍(そ)ひ 下りて桐、井に

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