精選版 日本国語大辞典 「殺虫剤」の意味・読み・例文・類語
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害虫を防除・駆除するための薬剤。ハエやカなど衛生害虫の防除・駆除に用いられるものも殺虫剤(家庭用殺虫剤)とよばれるが、ここでは農作物を保護するために用いる殺虫剤について解説する。
[田村廣人]
農作物(樹木および農林産物を含む)を害する昆虫を防除するために用いる薬剤を殺虫剤と称している。歴史的には、人類は農耕を開始して以降、絶えず病害虫の被害に悩まされてきたが、おもな防除法は、病害退散の神事に拠(よ)っていた。日本では、江戸時代中期以降に全盛を迎え、1945年(昭和20)ごろまで「虫送り(虫追い)」神事が全国各地の農村で執り行われ「虫除け札」を農地に立て無事を祈願していた。しかし、16世紀末に記されたとされる古文書(「家伝殺虫散」)には、アサガオの種やトリカブトの根など5種類を混ぜる農薬の生成法ならびに使用の記録が存在する。江戸時代には、鯨油(げいゆ)や菜種油を田面に注ぎ、水稲のウンカ類を駆除したという記録もある。フランスでは、1781年にピエール・ジョゼフ・ビュショPierre-Joseph Buc'hoz(1731―1807)が人間・家畜・農業に害をなす多くの昆虫、ダニおよびクモの防除法を『人間と家畜などの害虫の話』として執筆している。
殺虫剤は、昆虫に毒性発現するための曝露(ばくろ)(侵入)経路により、皮膚から昆虫体内に浸透して殺虫活性を発現する接触剤、昆虫の摂食行動により口から体内に入り殺虫活性を発現する食毒剤、および殺虫剤の蒸気(ガス)が呼吸器官から体内に入り殺虫活性を発現する燻蒸剤(くんじょうざい)等に区別される。また、殺虫剤がどのような作用で殺虫活性を発現するか、つまり、殺虫剤とその標的との相互作用(作用機構)により、昆虫の神経系を作用点とする神経系作用性薬剤、エネルギー代謝阻害剤、および昆虫の生育を阻害する生育制御剤にも区別される。
このように、殺虫剤はいろいろな方法で分類されるが、化学構造の共通構造に基づいて、おもに、有機リン殺虫剤、カーバメート殺虫剤、ピレスロイド殺虫剤、ネオニコチノイド殺虫剤、ジベンゾイルヒドラジン殺虫剤、およびベンゾイルフェニル尿素殺虫剤などに分けられる。
[田村廣人]
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…また,筋肉の弛緩に用いられるクラーレ(d‐ツボクラリン)は,もともとは熱帯アメリカで矢毒として用いられていたものであり,トリカブトやアフリカのストリキノスのようなアルカロイド系の多くの矢毒が狩猟に用いられていた。 魚を捕らえるのに魚毒を流すことも世界各地で行われ,そのうちマレーシア地域で使用されるマメ科のデリス(ロテノン)は殺虫剤としても有名である。最近はDDTやBHCのような有機塩素系の合成殺虫剤の残留毒性が問題となり,ジョチュウギク(ピレトリン)など植物性の殺虫剤が再評価されつつある。…
※「殺虫剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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