精選版 日本国語大辞典 「毘盧遮那如来」の意味・読み・例文・類語
びるしゃな‐にょらい【毘盧遮那如来】
- ( 「びるしゃな」は[梵語] Vairocana の音訳。盧舎那、遮那、遍照、光明遍照などと訳す ) 華厳経、梵網経、および密教の教主でさとりにある仏、または宇宙の根源の仏。仏身論の上では諸宗によって理解を異にする。法相宗では毘盧遮那と盧舎那を区別し、毘盧遮那を自性身(じしょうしん)とみなし、盧舎那を受用身とし、また変化身(へんげしん)としての釈迦を立てる。天台宗では毘盧遮那を法身とみなし、盧舎那を報身、釈迦を応身とするが、究極的には毘盧遮那に帰着するとする。華厳宗では毘盧遮那を十身具足の身とし、三身を立てないで、毘盧遮那も盧舎那も釈迦も同一仏身の異称とする。密教では法身とみなし、大日如来に同じとする。毘盧遮那仏。
- 毘盧遮那如来〈奈良県唐招提寺〉
- [初出の実例]「真言宗のごときは、毗盧遮那如来したしく金剛薩埵につたへて、師資みだりならず」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
- [その他の文献]〔仏心経‐下〕