毛布(読み)もうふ(英語表記)blanket

精選版 日本国語大辞典 「毛布」の意味・読み・例文・類語

もう‐ふ【毛布】

〘名〙
毛織物
枕山詩鈔三編(1867)下・書事次元日韻「王正不冠裳美、毛布家家製窄衣
② 特に寝具やひざ掛けなどに用いる厚地の毛織物ブランケットケット。《季・冬》 〔ことばの泉(1898‐99)〕

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デジタル大辞泉 「毛布」の意味・読み・例文・類語

もう‐ふ【毛布】

寝具などに用いる、厚地で縮絨しゅくじゅう起毛を施した毛織物。混紡糸化学繊維などを用いたものもある。ブランケット。ケット。 冬》「いと古りし―なれども手離さず/たかし
[類語]寝具夜具夜着布団マットレスタオルケット包布敷布シーツ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「毛布」の意味・わかりやすい解説

毛布
もうふ
blanket

紡毛織物一種で寝具の一つ。ブランケットともケットともいう。平織綾織(あやおり)、緯二重織(よこにじゅうおり)、二重織などの織物に、フェルト縮絨(しゅくじゅう))加工し、両面から起毛して毛足の長い毛羽をたてたものである。厚地で保温性に富み、軽く柔らかな肌ざわりをもつ織物である。

 大きさは普通のものは幅155センチメートル、長さ195センチメートル、大形のものは幅200センチメートル、長さ225センチメートル、重さは約1.8キログラムから4キログラムぐらいである。原料は上質のメリノ種、寒羊毛の粗剛なもの、ラクダの毛、綿、そしてレーヨンアセテート、アクリル、ビニロンなどの化学繊維などが用いられる。経(たて)糸に綿糸、緯(よこ)糸に綿・毛の混紡糸を用いたものもある。経緯綿糸を使ったものは吸湿性、保温性に優れているので、皮膚の柔らかい乳児に適している。合成繊維の毛布は軽く、暖かいが、吸湿性、耐熱性に劣るから、乳幼児、老人が使用するときにはその性質を知り、注意して用いることが肝要である。羊毛、ラクダの毛を使ったものは防虫加工をし、保管には防虫剤を入れることが必要である。色、柄はもとラクダ色の地色に両端濃褐色の糸で横縞(よこじま)を織り込んだ線額毛布と、花柄ボーダーを織り込んだ花額毛布とがあった。近年は近代的感覚による総柄のもの、白無地、色無地のものが多くなっている。色はラクダ色、グレー、赤、ピンク、白などがある。ブランケット(毛布)は明治初年西洋文化とともに輸入された。寝具用として一般に日常生活に用いられるようになったのは、第二次世界大戦後である。

 毛布は寝具用のほかに、肩掛け、膝(ひざ)掛け、こたつ掛けなどにも用いられる。ほかに鞍下(くらした)などにも用いられる。

[藤本やす]

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世界大百科事典 第2版 「毛布」の意味・わかりやすい解説

もうふ【毛布】

防寒用の寝具として用いられる毛織物。本来太い紡毛糸を用いるが,現在では綿糸や化繊,混紡糸も使われる。英語ではブランケットblanketといい,14世紀にイギリス人トマス・ブランケットが初めて織り出したことに由来する,といわれるが確かではない。またフランス語のブランシェblanchet(白い毛織物)がイギリスでブランケットとなり,縮絨(しゆくじゆう),起毛を施した長い毛羽(けば)のある織物をいうようになった,との説もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「毛布」の意味・わかりやすい解説

毛布
もうふ

ふとんと並んで使われる代表的な寝具。紡毛糸で織った毛織物で,軽く,保温力,吸湿力に富んでいる。普通は経糸に綿糸,緯糸に紡毛糸を用いる。織り上げてから起毛し防虫加工などを施す。軽さと安価な点で,化繊糸を用いたもの,毛と混紡したものが多量に出ており綿毛布も織られている。標準規格は幅 1.4m,長さ 1.9mである。また,電熱でさらに保温性を高めた電気毛布も普及している。

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百科事典マイペディア 「毛布」の意味・わかりやすい解説

毛布【もうふ】

ブランケットとも。紡毛織物の一種。寝具のほか膝掛等に使用。綿糸,純毛糸,絹糸,化学繊維糸等を平織・綾織としたのち,縮充,起毛して柔軟に仕上げる。
→関連項目紡毛織物

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普及版 字通 「毛布」の読み・字形・画数・意味

【毛布】もうふ

毛織物。

字通「毛」の項目を見る

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